【東都大学野球・春季リーグ戦】
○ 青学大　6 － 4　中大 ●
＜2日・ZOZOマリン＞

　青学大は中大に逆転勝ちを収め、勝ち点3とした。3回から登板した松井大輔投手（4年・県岐阜商）が7イニングを投げて2失点と好リリーフし、勝利投手に輝いた。

　強い気持ちを胸にマウンドへ上がった。2点ビハインドの3回から登板すると、不運な当たりに見舞われて2点を失った。ただ、4回以降は修正力を発揮。「負けている状態だったんですけど、なんとか0に抑えたら、野手が点を取ってくれると信じていた。何とか3人で流れを止めるという気持ちで投げました」。低めにボールを集める意識を徹底し、7回までは走者を許さない投球を披露した。

　すると5回までわずか1安打と沈黙していた打線がようやく奮起。6回無死満塁の好機で、2番・佐々木の左前適時打で1点を返すと、続く小田の内野ゴロの間に三塁走者が生還して2点差。なおも一死二・三塁から4番・西川の右犠飛、さらに相手の失策も絡んで同点。試合を振り出しに戻した。

　7回は二死から8番・渡部が四球で出塁すると、続く代打・中野の打球を右翼手が捕球できず。その間に一塁走者が生還して勝ち越しに成功。9回にも渡部の適時二塁打で1点を加え、中大を下した。

　右腕は最終回まで投げ抜いて、7イニングを投げて4安打2失点。逆転を呼び込む好投に、安藤寧則監督は「（勝因は）松井だと思います。流れを持ってきて欲しいということで、松井の力を借りて。みんなが対応力をしっかりやってきてくれているのが、今日は松井だった」と目を細めた。

　開幕戦黒星スタートとなった青学大だが、その後は負けなしの6連勝。青学大は常廣羽也斗投手（4年・大分舞鶴）、下村海翔投手（4年・九州国際大付）と今秋のドラフト候補の先発2枚看板が揃っているが、「僕は2人のバックアップという、今現状はそういう立場。いつでもどこでも準備はできている、安心して2人には投げてもらって、みんなでリーグ優勝を目指してやっていけるように」と背番号17。悲願のリーグ優勝へ、頼もしい男は力の限り、その右腕を振り続ける。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）