【東都大学野球・春季リーグ戦】
○ 国学院大　5 － 0　駒大 ●
＜2日・ZOZOマリン＞

　国学院大は吉川育真主将（4年・岡山理大付）の2ランが飛び出すなど、5得点を挙げて駒大に快勝。先発した今秋ドラフト候補左腕・武内夏暉投手（4年・八幡南）が5安打完封で今季2勝目をマーク。これで1勝1敗とし、勝ち点獲得へ望みをつなげた。

　トドメとしては十分すぎる一撃だった。3点リードの8回二死一塁。駒大の3番手・米山の初球、高めスライダーを迷わずフルスイング。「あの打席では初球からフルスイングすると決めていた」。吉川が描いた大きな弧は、長い滞空時間を経て左翼席へ飛び込んだ。リーグ戦初本塁打は値千金のダメ押し2ラン。「自分はいかないと思っていたので、全力で走っていたんですけど。歓声がすごく盛り上がっていたので、見た時には入っていたんだなと感じました。すごく気持ちよかったです」とダイヤモンドを1周すると、ベンチで仲間から手荒い祝福を受けた。

　悔しさをバットに込めた。ここまで全6試合にスタメン出場も、この日はベンチスタート。7回の守備から途中出場し、初打席ですぐさま結果を残した。打線は5回まで無安打と沈黙し、ようやく6回に2点を先取。それでもスコアボードに「0」を並べ続ける左腕のため、欲しかった追加点。「とにかく武内を楽にしたかった。それが結果に出て良かった」と主将は笑顔でうなずいた。

　鳥山泰孝監督も「チームの全員が喜んでいると思います。吉川の効果的なダメ押しホームランも非常に良かった」と大黒柱の一発を高く評価した。これで駒大とは1勝1敗。今季初の勝ち点へ、次の出番でも背番号1は必ずやってくれるはずだ。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）