ニュース 2023.05.15. 06:00

慶大が引き分け挟んで立大戦16連勝 4番・栗林泰三が二塁打3本3打点で勝利に貢献

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慶大・栗林泰三内野手(左)、荒井駿也投手(右)[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
◯ 慶大 6 - 3 立大 ●
(14日・神宮)

 慶大は立大に先勝し、4つの引き分けを挟んで立大戦16連勝を飾った。4番・栗林泰三内野手(4年・桐蔭学園)が二塁打3本を放つなど猛打賞3打点の活躍を見せ、勝利に大きく貢献した。

 強烈な打球が右翼線へ飛ぶと、わずかに栗林泰の表情が緩んだ。初回一死一・三塁から右翼線へタイムリー二塁打を放ち、先取点をもぎ取った。その後勝ち越しを許したが、3回無死一塁では左翼線への二塁打で好機を演出し、6番・宮崎恭輔捕手(4年・國學院久我山)の逆転2点タイムリーをお膳立てした。

 バットの勢いは止まらず、1点リードの4回二死一・二塁でも左翼線へ適時二塁打を放って、貴重な追加点をもたらした。打線をけん引し、4番の仕事を果たした栗林は「とにかく繋ごうという意識で打席に立ちました。迷いなく打席に立てたことが結果に繋がった」と胸を張った。

 この日は母の日。「朝、『いつもありがとう』というライン入れました」と試合前に感謝の言葉を伝えると、「4番・右翼」でスタメン出場した試合では、応援に駆けつけてくれた母が見守る前で3安打3打点と躍動。「監督さんが、恩返しは活躍することよりも、いい仲間に恵まれた中で一生懸命野球をやっている姿を見せることだといつもおっしゃっていて。たまたま母の日で体現できたこと、結果云々よりもそういう姿を見せることができて良かった」と笑顔で振り返り、最後まで母への感謝を忘れなかった。

 今季の開幕戦は廣瀬隆太主将(4年・慶應)が4番に座ったが、堀井哲也監督は「彼の練習に対する姿勢、選手からの信頼感を考えると、廣瀬の次は栗林」と東大2回戦から栗林泰を4番に抜擢。「気にしなくもないんですけど、しっかり繋ぐことを意識して打席に立っています」と4番では11打数5安打で打率4割5分5厘、3打点と存在感を示している。

 以前は練習でさえも不安になることが多く、思うような結果が残せなかったが、「練習から不安をなくそうと、明日堂々と打席に立ってシンプルに考えられるように、準備しようと意識したことが根本にある。それが結果に結びついているのかな」と冷静に好調の要因を分析した。今季も終盤に差し掛かっているが、勝ち点、そしてチームの勝利のためにバットを振り続ける。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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