【東京六大学野球・春季リーグ戦】
○ 明大　11 － 3　立大 ●
（21日・神宮）

　3季連続優勝を決めた明大は立大に連勝し、勝ち点5で完全優勝を果たした。2番打者・飯森太慈外野手（3年・佼成学園）が5打数3安打2打点の活躍で、チームの勝利に貢献。打率を4割2分6厘に乗せ、リーグトップに躍り出た。

　らしさを存分に発揮した。勝ち越した直後の4回二死一・二塁で迎えた第3打席。この日初安打となる2点タイムリー三塁打を放つと、勢いに乗った飯森のバットは止まらない。6回一死では中前にはじき返すと、7回一死一塁でも中前安打をマーク。今季3度目の猛打賞となる3安打を放ち、打率4割2分6厘で首位打者に浮上。この日2打数無安打で3割9分6厘に下降した法大・武川を抜いて、打率ランキング1位に名を連ねた。

　昨春のリーディングヒッターからの助言が、飯森の背中を押した。前週の早大戦までは「全く自分のことは意識せずに、勝つためだけにやってきた」と自身の数字は気にも留めなかったが、最終週を迎えて「正直、意識してしまった部分があった」。2打席目までは数字が頭をよぎり、本来の打棒を発揮できず。3打席目でようやく「H」ランプをともすと、昨春のリーグ戦で首位打者に輝いた宗山塁内野手（3年・広陵）から「試合中に逃げた奴が負けるぞ、こういうのは攻めた奴が勝つ」とアドバイスを受けた。「そこからバットを振れるようになった」と本来の姿を取り戻すと、快音を響かせて3安打猛打賞。「救われました。1本打って、ここからどうするという時に大きかったですね」と頼もしい仲間に感謝した。

　開幕からコンスタントに「H」ランプをともし、チームトップの20安打で今春を終えた。「練習してきたことがしっかり神宮で出せていることは自分にとってプラスなので、すごく良かったと思います。（首位打者のタイトル争いに関しては）早慶戦次第なので、願ってみたいと思います」と背番号7。自身初のタイトル獲得へ、早慶戦の結果を待つ。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）