ニュース 2023.05.27. 05:00

国学院大・神里陸、リーグ戦初本塁打は1部残留を決める劇的アーチ!「秋は日本一になれるように」

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国学院大・神里陸捕手[写真=灰原万由]
【東都大学野球・春季リーグ戦】
○ 国学院大 5 - 2 中大 ●
(26日・神宮)

 国学院大は2−2の9回、DeNA・神里和毅外野手を兄に持つ神里陸捕手(3年・東海大相模)がリーグ戦初本塁打となる勝ち越し2ランを放つなど、3点を奪って中大に逆転勝ち。今カード2勝1敗で勝ち点を2に伸ばし、1部残留を決めた。

 神里の“気迫”がバットに乗り移った。2−2の9回一死一塁で迎えた第5打席。「今までずっと打てていなくて、チームも勝てていない状況。今日は自分が出て、次につなぐという意識で打席に入りました」。中大の3番手・石田の初球、やや真ん中に入ったチェンジアップを完璧に捉えると、打球は大きな弧を描いて右翼席へと吸い込まれた。待望のリーグ戦初本塁打は、チームを最下位の危機から救う劇的アーチ。チームは今カード“気迫”をスローガンに掲げており「気迫で行こうと思ったので、それだけです。率直に嬉しいです」と何度もガッツポーズを繰り返し、喜びを爆発させた。

 苦い経験を、良薬へと変えた。今春は打撃不振に苦しみ、この日の試合前まで打率1割8分8厘と低迷。前カード・青学戦前には遊撃のレギュラーに座る伊東光亮内野手(3年・大阪桐蔭)とともに鳥山泰孝監督から厳しい叱責を受けた。「ピッチャーは今までずっと頑張ってきていて、打者が打てていない中で、キャッチャーをやっているんだからバッティングもしっかりやれというお言葉をいただいた」。主力、そして扇の要としての責任と自覚が芽生えた神里は、相手ピッチャーの研究に加えてバッティングの見直しに着手。1軍の練習メニューをこなした上で、2軍の練習時間中も黙々とバットを振り続けた。

 努力は実を結び、この日は2安打3打点と躍動。勝ち越しを許した直後の7回二死一・三塁では「絶対に決めてやろう」と気迫で左翼線へ同点のタイムリー二塁打。9回には値千金の勝ち越し2ランを放つと、なおも二死二塁の好機では伊東が右中間へ適時三塁打をマーク。指揮官から喝を入れられた両選手がバットで応え、激闘に終止符を打った。

 昨秋の覇者はここまで6勝7敗と苦戦を強いられてきたが、中大を2勝1敗で下して入れ替え戦を回避。「今までずっと厳しい戦いが続いて、1部にいることが当たり前じゃないということを噛み締めることができた。秋は日本一になれるように頑張りたい」と背番号4。ひたむきに努力を重ね続け、実りの秋へと突き進む。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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