ニュース 2023.05.27. 17:24

「趣味はギター」巨人・田中千晴が十八番とする「秦基博の曲」は?

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【プロ野球巨人対DeNA】プロ初勝利の記念球を掲げポーズをとる巨人・田中千晴=2023年5月25日 東京ドーム 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は5月25日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げた巨人のルーキー・田中千晴投手にまつわるエピソードを紹介する。
『ドラフト3位の田中千晴です。えー…好きな食べ物はいちご大福。趣味はギターをひくことです。これからもよろしくお願いしま~す!』

~『スポニチアネックス』2023年5月25日配信記事 より(田中千晴のヒーローインタビューより)

5月21日に育成ドラフト1位ルーキーの松井颯がプロ初登板・初勝利を飾ったばかりの巨人。4日後の25日に、またルーキーがプロ初勝利を挙げました。ドラフト3位の田中千晴です。ヒーローインタビューで「自己紹介を」と言われ、語ったのが上記のコメント。「いいキャラしてる」「ファンになった」という声も挙がっています。

田中千は2000年9月、大阪生まれ。国学院大学卒。189センチ、85キロの右腕で、4月13日の阪神戦でプロ初登板を果たします。1度ファームに落ちましたが、5月24日に再昇格。25日のDeNA戦が11試合目の登板でした。

田中千は、3-3で迎えた5回、2死無走者の場面から3番手で登場。この5回を無失点で抑えると、そのまま6回も投げ、無安打無失点でマウンドを降ります。その裏、巨人打線が吉川尚輝のセンター前タイムリーなどで2点を挙げ勝ち越し、田中千にプロ初勝利が転がり込みました。

決勝打の吉川尚とともにお立ち台に立った田中千。この勝利は「皆さんのおかげでもらった1勝」と感謝した上で、こう語りました。

『きのうは翔征が一人で投げ抜いてくれて。僕らは本当にゼロで抑えることを考えてみんなで頑張ってますので。みんなでつないで抑えられて本当にきょうは良かったです』

~『スポニチアネックス』2023年5月25日配信記事 より(田中千晴のヒーローインタビューより)

この試合の前日・24日には、戸郷翔征が岡本和真のソロ本塁打による1点を1人で守り切り、1-0で完封勝利。試合後、リリーフ陣がベンチに集まり、戸郷のヒーローインタビューに拍手を送ったシーンが印象的でした。その翌日、先発の山﨑伊織が3失点で降板したあと、今度は中継ぎ陣が踏ん張って勝利。先発陣とリリーフ陣、投手と野手が互いに助け合っての連勝で、いい循環になってきました。

なお田中千が戸郷のことを「翔征」と呼んでいるのは、同学年だからです。戸郷は高卒5年目、田中千は大卒1年目。入団時に、同学年が既にチームのエース格というのは、田中千にとっても大きな刺激になっています。

また、大卒2年目の大勢は1つ上で、普段から可愛がってもらっているようです。お立ち台で、プロ初勝利の記念球をどうするかと聞かれ、何とこんな発言も飛び出しました。
『えーと。大勢さんに。毎回、毎回、あの…。ホールドを取った時もボールをいただいてたので、これをお返ししたいと思います』

~『スポニチアネックス』2023年5月25日配信記事 より(田中千晴のヒーローインタビューより)

これにはファンからもどよめきが起こりました。普通は「両親に」とか言いそうなものですが、貴重なプロ初勝利のボールを、先輩に“お返し”としてプレゼントしたいと言うのです。こういった発言も、考え方がユニークというか「いいキャラしてる」と呼ばれるゆえんです。

田中千は、この試合の少し前に、巨人OB・上原浩治さんのYouTubeチャンネル「上原浩治の雑談魂」にも出演。上原さんが試合前の東京ドームを訪れ、練習の合間に、通りかかった後輩たちに声を掛けて雑談するという企画で、たまたま声掛けされた田中千は、上原さんに同じ大阪出身であることを告げると、これはいい機会とばかりに、同郷の先輩を質問攻めにしました。

フォークの握り方やコントロールの話から、試合前に食べる食事は腹何分目がいいかという話など、質問がすべて実戦に即した内容で、上原さんも後輩のために親身になって答えたので、観ているこちらも「そうなんだ」とついつい引き込まれてしまいました。この「質問攻め」もまた大きな反響を呼び「研究熱心でいいな」「応援したくなった」という声も。

また、お立ち台で「趣味はギター」と語ったことも話題になっています。入寮の際もギターを持ってきたほどで、1月、巨人軍の公式チャンネル「GIANTS TV」のライブ配信で弾き語りを披露。十八番の秦基博の「ひまわりの約束」を歌い、その美声にファンは驚きました。母親は電子オルガンの講師をやっていて、音楽はもともと大好き。そして野球にもプラスになっていると言います。

田中千が重視しているのは、投げる際の「フォームのリズム感」。これを養うために、大学時代はこんなこともしていたそうです。
『国学院大ではリーグ戦ごとに試合前に聴く曲を変えるこだわりも見せてきた。「試合前には、リズムが速めの気分が上がる曲を聴いて投げるようにしていた」。4年秋のリーグ戦では韓国ガールズグループKep1erの「WA DA DA」を聴いてからマウンドへ。「ギターを弾くとリフレッシュもできる」と心の支えにもなってくれる』

~『スポーツ報知』2023年1月9日配信記事 より

研究熱心で、何でも吸収し、野球に活かそうとする姿勢は本当に好感が持てます。今度お立ち台に上がる日は、ギターを持って美声を披露……なんてことも? ブルペン陣を盛り上げる「歌うルーキー」にこれからも注目です。

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