ニュース 2023.05.27. 19:30

120周年を迎えた華の早慶戦は早大が先勝 代打・島川叶夢が試合を決める決勝3ラン

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早大・齋藤正貴投手(左)、島川叶夢内野手(右)[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
○ 早大 5 - 3 慶大 ●
(27日・神宮)

 早大は今年120周年を迎えた華の早慶戦で、慶大に先勝。7回に代打・島川叶夢内野手(4年・済々黌)の左越え3ランが飛び出し、試合を決めた。

 打った瞬間に確信した。島川は左翼席へ消える打球を見つめながら、一塁側の早大応援席に向かって右腕を高く突き上げた。「次の1点が試合を左右する場面で代打を任されたので、自分がその1点をもぎ取ってやろうという気持ちで打席に入りました」。2−2の同点で迎えた7回一死一・二塁から代打で登場。慶大の2番手・森下の甘く入った131キロ変化球を完璧に捉え、勝ち越し3ランを放った。

 昨春の法大2回戦でリーグ戦初打席初本塁打を放って以来のアーチが決勝弾となり、代打起用に文句なしの一発回答。「(打った瞬間)いったと思いました。かなり大きな声援が湧いていたので、こういう環境でプレーできることはとてもありがたいなと感じました」と笑顔でダイヤモンドを一周すると、早大の応援歌「紺碧の空」の大合唱が神宮に響いた。

 熊本県出身の島川は、県内屈指の進学校・済々黌高出身。小学校高学年の時に甲子園で活躍していた大竹耕太郎投手(現阪神)の姿を見て、同じ済々黌高へと進学した。さらに「大竹さんが早稲田に進学して活躍されて、自分も早稲田に憧れを抱いた」と一般入試を経て、早大の門をたたいた。今でも憧れの存在である大竹はこの日巨人戦(甲子園)に先発し、7回無失点でキャリアハイの6勝目をマーク。大先輩が伝統の一戦で躍動した同じ日に、島川は慶大との伝統の対抗戦でヒーローとなった。

 名前は“夢が叶う”で『叶夢』。華の早慶戦で試合を決めるアーチをかけ、夢を叶えたようにも見えたが「まだです。優勝して、日本一になることです」とキッパリ。今春優勝を逃した悔しさを糧に、最後のリーグ戦で必ず夢を叶えてみせる。

取材・文=灰原万由
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