8回一挙5得点で大逆転
DeNAは4日、本拠地で西武に5-4で勝利。連勝を伸ばし、月曜の第3戦を前にカード勝ち越しを決めた。
ロバート・ガゼルマンと平良海馬の両先発による投げ合いとなったゲームは、0-0のまま迎えた6回に西武打線がガゼルマンを攻略。対するDeNA打線は平良を打ち崩すことができず、嫌なムードが横浜スタジアムを支配する。
ところが、平良が7回無失点でマウンドを降りると、4点を追う8回裏に入江大生の代打として登場した大和がレフトフェンス上段に直撃する二塁打を放ってチャンスメイク。佐野恵太も安打で続いて一・三塁とし、関根大気の投ゴロを西武の佐藤隼輔が悪送球。遠かった1点がようやくスコアボードに刻まれる。
さらに無死一・三塁で打席に入った宮﨑敏郎が代わったばかりのヘスス・ティノコから適時二塁打。なおも二・三塁から牧秀悟の内野ゴロの間に走者を還して1点差とすると、押せ押せムードは加速していく。
二死二塁の場面で、三浦大輔監督はネフタリ・ソトのところで代打・楠本泰史を決断。背番号37は初球を弾き返す二塁打で起用に応え、あっという間に4-4の同点に。その後、二死一・三塁からこちらも途中出場だった戸柱恭孝の内野安打の間に勝ち越し点をもぎ取り、一挙5得点で試合をひっくり返した。
9回にはストッパー・山﨑康晃が3人で抑え、横浜スタジアムでの通算100セーブ目をゲット。大逆転のゲームをより盛り上げて、ゲームを締めた。
「常にいい準備」
三浦監督は試合を振り返り、「最後まで何があるかわからないというところで、選手たちも諦めることなくやってくれていました。それがあるから逆転できたと思います」と最後の最後まで集中力を切らさなかった選手たちを称える。
8回の攻撃については「大和が火を付けてくれました。それに続け続けという形でベンチもすごく盛り上がっていました」と口火を切ったベテランの一打をポイントに挙げ、同点打の楠本にも「勝負のところで結果を出してくれました」、決勝打の戸柱には「気迫の内野安打だったと思います」と目を細めた。
途中出場の選手たちが期待に応え、それぞれ結果を残したからこその逆転劇。指揮官も改めて「大和もしっかりと準備してくれていましたし、楠本もそうです。みんな最後まで集中してくれていました」と強調。
そのうえで「スタメンじゃない選手、途中から行く選手も常にいい準備をしてくれている。いつ出番が来てもいいようにという気持ちでいてくれていることが大きいです」とし、スタメンもベンチも、チーム一丸となって戦うことができている点を勝因に挙げた。
これで対西武2連勝、2カード連続の勝ち越しを決め、「非常に大きな1勝ですし、この勢いを、盛り上がりをまた明日につなげていきたい」と結んだ指揮官。98年優勝当時のユニフォームが、より輝きを増して見えた。
取材・文=萩原孝弘