苦しむ元守護神に嬉しい勝利
広島が日本ハムに終盤で逆転に成功。交流戦3カード目で初めてとなる初戦で勝利を掴んだ。
1-2出迎えた8回、日ハムの3番手・宮西尚生から簡単に2アウトを取られるも、秋山翔吾が中前打で出塁し、マクブルームが四球で繋げてチャンスを拡大。5番の西川龍馬もフルカウントから粘った末に三遊間を破り、試合を振り出しに戻すと、代わった玉井大翔に新井監督は代打の切り札・松山竜平を起用。この場面で勝負強いベテランは、詰まりながらもレフト線に勝ち越しタイムリーを放ち、勝利を手繰り寄せた。
味方打線の奮起で2番手で7回から登板し、1回を無失点に抑えた栗林良吏に勝ち星が舞い込んだ。開幕から調子が上がらず、さらには右内転筋筋挫傷で約1か月間の離脱も経験し、復帰してからも不安定でここまで5敗目を喫していたが、3年目にしてプロ初勝利のお立ち台で「すごい苦しかったですし、本当にたくさんの人に迷惑かけて情けないなと思ってたので、今日何とか少しだけチームに貢献できたので、これを継続してファンの皆さんを笑顔にできるように頑張ります」と声を弾ませた。
6日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた谷繁元信氏は「あれだけ最後の方で投げているわけですから、勝ちがあったと思っていたのですが、なかったんですね」と栗林の3年目の初白星に驚くと、同じく解説として出演した齊藤明雄氏も「私もビックリです。初勝利ということで『えっ!』と。勝ってるもんだと思っていた」と同意した。
また「WBCで選ばれて、腰痛から復帰したんですけどやはりあまり調子が上がらずというところで。新井監督の使い方、起用法は楽な場面で投げさせて、調子を上げさせてからクローザーに戻すのではないですかね」と予想すると、谷繁氏も「すぐではなく、徐々に徐々にというところだと思いますね」と両者ともしばらく中継ぎで、その後の調子を見てからストッパーに復帰と見立てていた。
苦しんでいた元守護神は、初勝利を境に本調子に戻るのか。次のピッチングにも注目が集まる。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』