目に見えない走塁ミスが響く結果に
DeNAのエース・今永昇太が8回を投げ切り1失点。許したヒットはソロホームランの1本のみで、8つの三振を奪う快投を披露したが、9回にここまで0.50の防御率を誇った伊勢大夢が踏ん張れず、ソフトバンク相手に悔しいサヨナラ負けを喫した。
先発した今永昇太は切れのあるストレートを軸に、3回まで1四球のみとホークス打線をねじ伏せていたが、4回先頭の今宮健太に高く入った初球のストレートをレフトホームランテラスに運ばれて先制を許したが、その後も8回まで1四球だけと支配的なピッチングを披露した。
6日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説者として出演した齊藤明雄氏は「地元で無様なピッチングは出来ないってことで気合が入ったんじゃないかな。いつもより一段と顔が引き締まっていたって感じに見えましたよね。時々後ろ向いて独り言行っている時があるんですけど、今日はまったくなかった」と今永の仕草から気合を感じたと解説した。
またMCとして出演した谷繁元信氏は「左バッターに対して2割9分打たれていたピッチャーがきょうはゼロ(安打)ですよ。左バッターにインサイドのストレートを使いながら、ソフトバンクの強力な左打者が泳いでいたりしていた」と指摘すると、同じく解説に入った松中信彦氏は「真っ直ぐに振り負けているので、ポイントを前にしなければいけない。そうすると崩されて変化球を振ってしまうので、それぐらい今日の真っ直ぐには力があった」とバッター目線で説明した。
勝負のポイントとして松中氏は4回、無死2-3塁から林拓真の犠牲フライで1点を取ったが、2塁ランナーの戸柱恭孝が3塁にタッチアップしなかった場面に注目。
「戸柱選手が2塁にいて、柳町(達)選手がホームに投げるんですけど、投げた瞬間に間違いなくボールが高い送球なので、サードランナーがスタート切った時点で、戸柱選手も(3塁に)行かなくてはいけないタイミングだったと思います。これで行っていれば関根(大気)選手の内野安打で点が入ったとすると、タラレバですけれども今日の今永投手だったら、勝ちにつながっていたんじゃないかなと。ちょっともったいない走塁だったと思います」と苦言を呈した。
エースを立てながら勝利をつかめなかったDeNA。目に見えないミスが、僅差のゲームを落とす原因の一つになったのかもしれない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』