レジェンドから若き捕手陣に伝えたい事
西武は10日、本拠地でのヤクルト戦に0-2で敗戦。打線がヤクルト先発・石川雅規の前に散発3安打に封じられ、5投手の継投による完封リレーを食らってしまった。
エースの髙橋光成も序盤の3イニングをしっかり無失点に抑えたものの、4回に2つの四球でピンチを招き、中村悠平の適時打で先制点を奪われる。結局7イニングを投げて失点はこの1点だけだったが、打線の援護なく今季4敗目(4勝)を喫した。
10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦氏は「緊迫した良いゲーム」と振り返りつつ、西武の若き捕手陣に対して「もう少し相手の打者を観察すること、そして投手の良いものを引き出すということですね」とアドバイスを送る。
まずひとつ目のポイントに挙げたのが4回表、中村に浴びた先制適時打の場面。この時は髙橋光成と古賀悠斗のバッテリーだったが、「1球目をフォークで振らせたんですが、スライダーでかんたんにストライクを取りに行ったところを打たれてしまった」と気になった点を挙げ、「髙橋のストレートは150キロを超える威力のあるボールですから、もう少しそれを交えたりするべきだった」とピンチの場面での不用意な攻め方に疑問を呈した。
さらにもうひとつが、9回表の山田の適時打について。バッテリーはこの回から登板のヘスス・ティノコと、捕手も柘植世那に交代となっていたが、この時に二死一・二塁から手痛いエンタイトルツーベースを浴びたのも“1ストライク後の2球目”だった。
「初球を外のスライダーで振らせて、この日の山田はアウトコースの変化球にまったく合っていなかったんですが、2球目はインサイドのストレートでストライクを取りに行ってしまった」と大矢氏。この2つのシーンを象徴的な場面として挙げながら、「もう少し相手を見ながら、投手を活かすという勉強が必要かなと」と解説した。
西武といえば、昨年までの正捕手・森友哉がFAでオリックスに移籍。今季はこの日スタメンマスクを被った古賀悠斗が34試合、柘植世那が33試合と2人の若手捕手が出場機会を分け合っている。
通算1552試合出場を誇る大矢氏が指摘した課題をクリアし、将来のチームを背負う不動の正捕手へと成長を遂げることができるか。2人の今後の奮闘を見守りたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』