“世界一対決”にして“元チームメイト対決”
DeNAは『交流戦 SERIES 2023』として開催される6月16日~18日の対千葉ロッテ3試合において、各々のチームのレジェンドOBたちによる“一打席対決”を実施。16日の試合前には、2008年に右打者最高記録となる打率.378で首位打者を獲得した内川聖一氏と、長きにわたりロッテのエースとして活躍した清水直行氏が対戦した。
2009年にWBC日本代表の一員として世界一に輝いている内川氏と、2006年に同じくWBCの日本代表として世界一を経験した清水氏による“世界一対決”にもなった2人の激突。まずは三塁側ベンチ横からロッテの現ビジターユニフォームを身にまとった清水氏がマウンドへ向かい、続けて一塁ベンチ横から内川氏がDeNAの現ホームユニフォーム姿でバッターボックスに歩を進めた。
清水氏の往年のフォームから投げ込まれたボールを2球見送った内川氏は、3球目を強振。打球は快音を轟かせてスタンドを沸かせたが、ここは三塁側スタンドへと切れていくファウルとなってお互いに苦笑い。最後は5球目、高めに浮いたボールを引っ張り、これが三塁手を強襲する安打に。真剣勝負の軍配は内川氏に上がった。
イベント後、内川氏は「NPBを引退した時点で、この打席に立つことはないんだなと思っていました」と第一声。また「直さんの後ろで守っていましたので、打席に立つのは新鮮と思いました」と語り、元チームメイトとの対戦を振り返った。
清水氏は独立リーグ・大分でプレーを続けている内川氏に「現役打者と対戦させていただいて、そして痛烈なサードへの強襲ヒットを打たれたと。このヒットが最後にならないように、頑張っていただきたいと思います」と辛辣気味なエールを送り、これには内川も思わず苦笑いを見せた。
清水氏は2010年から3年間ベイスターズでプレーしていたこともあり、「懐かしかったですよね」と素直な感想を吐露しら後、「ユニフォームは半分にしようかなと。下をベイスターズにしようとか、いろいろ考えましたけど」と両チームに所属した選手らしいコメント。
その上で「声援を両方から、ライトからもレフトからもいただけて本当に嬉しかったです」と振り返り、360度から送られた声援に感謝していた。
内川氏も、打席に入るとライトスタンドの応援団から当時の応援歌が流れたことに「あの応援歌を聞くと、自分がベイスターズ時代に打席に立ったことを思い出しましたし、感動しましたね」と笑顔。
続けて「このような場に呼んでいただけるなんて、数あるレジェンドの方々がいらっしゃる中で、選んでいただいたことを本当にすごく光栄に思います。こういう機会をいただけないと、あの打席にも立てなかったと思いますので、一生の思い出になると思います」と感慨深げに語っていた。
最後に清水氏は「これだけお客さんが入って、声出しも解禁になり、また野球の熱が来ているので、それに選手達も応えて、本当にまた野球を熱くしてもらいたいと思います」と選手達にお願い。
内川氏は「私が在籍させていただいた間は、なかなかファンの皆様に喜んで頂ける機会は少なかったですから、これだけ勝ち数を重ねて、ファンの皆様も喜ばせているベイスターズの選手の皆さんに感謝しています。今年はぜひ、日本一目指して頑張っていただきたいなと思います」と語り、プロのキャリアをスタートさせた古巣の優勝・日本一を願った。
取材・文=萩原孝弘