プロの投手に徐々に対応
「だんだんピッチャーの球にも慣れてきて、捉えられるようになってきたのかなと思います」。
ロッテの育成ドラフト3位・勝又琉偉(富士宮東高)は、4月終了時点でファームで打率.170(53-9)だったが、5月の月間打率が.283(53-15)、そして6月は17日終了時点で月間打率.300(30-9)と、数字を毎月上げてきている。
石垣島の春季キャンプではライブBPで坂本光士郎、本前郁也らと対戦し、「全然ダメでした」、「ストレートが(プロと高校では)違うなと思いました。伸びが違います」と、プロのストレートの凄さを肌で感じた。ファームが開幕してからもストレートへの対応に苦労しているように見えたが、5月に入ってからはストレートを捉えたあたりも増えている。
5月18日の楽天二軍戦では、0-0の3回無死走者なしの第1打席、内間拓馬が投じた初球の146キロストレートをレフト線に二塁打を放てば、プロ入り2度目の3安打をマークした17日のソフトバンク二軍戦でも7-0の8回無死走者なしの第4打席、育成の中村亮太が投じたストレートをセンター前に弾き返した。
「球の伸び、コントロールは違うなと思います」と話しながらも、「最近は捉えられるようになってきたかなと思います」とストレートに対応できるようになってきたと感じているようだ。
捉えた当たりが増えてきた理由に勝又は「毎日ティーとかでいろんなメニューをやって、それが結果につながっているのかなと思います」と、日頃の練習の成果が試合で発揮できるようになった。試合で結果を残せるようになってきたのもティー打撃に加え、寮に戻ってから「反省点をノートに書いてやっています」と、試合の振り返りを行っていることも関係している。翌日の試合前練習で前日の反省点を意識して練習を行い、試合に臨むという形を繰り返しているのだ。
10キロ増を目指すも現在は…
体づくりに関して、今年2月の取材で「プラス10キロくらい体重を増やしてそこからいろんなプレーができたらなと思います」と“体重増”を掲げ、昨年12月に行われた新入団選手発表会でも「ユニホームを着てぶかぶかなので、みっちりトレーニングをしてこのユニホームがピチピチになるくらいまずは支配下登録できるように頑張っていきたいと思います」と意気込んでいた。
10キロ増やしたいと話していた体重は、「2キロくらいしか増えていないんですけど、ここからという感じです。食べる量を増やせるように頑張っています」とのことだ。
「もっとパワーをつけてホームランを打てるように。まずはチームに貢献できるようになりたいです」。メキメキと力をつけている勝又。3年後、4年後に同じ高卒でプロ入りした安田尚憲、藤原恭大、山口航輝などのように一軍でプレーするため、今はプロ野球選手として1年間戦い抜く体力、技術を磨いていく。
▼ 勝又琉偉の月別成績
3.4月:21試 率.170(53-9)本0 点6 盗4
5月:16試 率.283(53-15)本0 点5 盗1
6月:9試 率.300(30-9)本0 点4 盗1
取材・文=岩下雄太