ポイントになった“第1打席”の勝負
巨人に対して昨年5月から33イニングで1失点、4連勝中の伊藤将司がこの日も“ジャイアンツキラー”ぶりを発揮。前夜のサヨナラ負けの嫌な雰囲気を払拭する快投を披露した。
立ち上がりから好調に滑り出し、4回には二死一・三塁と初めてのピンチを招いたが、アダム・ウォーカーを冷静に打ち取った。5回も先頭・中田翔に四球を与えたものの、続く北村拓己を二ゴロ併殺に斬ってピンチの芽を摘み、6回は一死二塁で中軸を迎えながら、秋広優人と岡本和真を打ち取って無失点を継続した。
最終的には7回まで大山悠輔のソロで挙げた虎の子の1点を守り切り、巨人のエース・菅野智之との投げ合いを制してチームを勝利へと導いた。お立ち台では「ロースコアで行くと思っていたので、何とか勝ててよかったです。先制点を取ってもらったので、何とかその1点を守ろうとして投げました」とコメント。レフトスタンドに陣取った虎党から喝采を浴びていた。
1日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦氏は、この試合のキーマンに「巨人の4番・岡本和真」を挙げていたが、「伊藤の気持ちの強さが、岡本の最初の打席に出たと思う」とポイントになったシーンを紹介。
それが2回裏、先頭で相対した第1打席。「最初の打席の三振は全部インコース。1球目だけスライダーで、あと真っ直ぐでやられた。これが効きました」と語り、「際どいところというよりも、自分が攻めたいボールでどんどん攻められる。そういう強い気持ちで岡本に投げられた」と最初の対戦で見せた“強気の攻め”が大きかったと強調した。
大矢氏はさらに続け、「岡本を上回る投球ができて、主砲だけではなく、全部が思うように投げられましたよ。素晴らしい内容でしたよね」と絶賛。
最後も「1-0のゲームって、ピッチャーは大変ですけどね。本当によく攻めながら、阪神ペースに持ってきましたね」と付け加え、左腕の快投に賛辞を送った。
これで今季11度目の完封勝利を挙げ、前夜のサヨナラ負けを吹き飛ばして見せた岡田阪神。
1勝1敗で迎える第3戦、“伝統の一戦”勝ち越しに向けて弾みをつけた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』