2023.07.02 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 3 | 終了 | 2 | 中日ドラゴンズ |
横浜 |
昨日の粘りが結実
番長の打順改造がズバリとハマり、連敗ストップに成功。久しぶりの勝利に横浜スタジアムが沸いた。
先発の東克樹は初回、女房役の山本祐大との間で三振ゲッツーを完成させ、無失点で立ち上がると、打線は2回、中日先発の涌井秀章に対し、2死からこの日6番でスタメンに入った楠本泰史がフルカウントまで粘り四球を奪うと、同じく7番でスタメンの柴田竜拓はストレートの四球で1−2塁のチャンスメイク。続く8番の山本祐大が詰まりながらもライト前にしぶとく落とし、幸先よく先制した。2回には先頭の関根大気がセンター前ヒットで出塁し、送りバントを挟み、佐野恵太は打ち取られたが、牧秀悟がこれまたしぶとくライト前に落とし1点追加した。
6回に東は石川昂弥に2ランを浴び試合を振り出しに戻されるも、その裏に先頭の牧がツーベースヒット、続くネフタリ・ソトは進塁打でランナーを3塁まで進めると、楠本はセンターへ犠牲フライを打ち上げ勝ち越しに成功。結果この一打が決勝点となり、引き分けを挟んでの連敗を4で止めた。
1安打、1四球、1得点、1打点と勝利に貢献した楠本は、ヒーローインタビューで「その前のイニングでホームランを打たれたんですけど、その時克樹がマウンド上でめちゃくちゃ悔しそうにグローブ叩いてたのを見ていたので、なんとしてでも絶対牧をホームに返すんだという思いで打席に入りました。前のソトさんも右方向に打ってくれて、何とか塁を進めてくれた打席だったので、みんなの思いを背負って絶対に事を起こしてやるんだと思って代打のつもりで打席に入りました」とチームメイトを思う気持ちを表現していた。
試合後三浦監督は「昨日の最後の食らいついていったことを、今日に繋げられましたし、2アウトからでも非常にみんな全員が集中していたと思います」と満足げ。「先制も2アウトランナー無しからのフォアボール2つから、祐大の気持ちですよね、食らいついてバットに当てればなにかが起こるというところで、いい形で先制できましたし、2点目も牧がああいう形で食らいついてくれて、3点目も牧をソトが進めたという事を起こしたことが大きかったなと思います」と少ないチャンスを、チーム一丸で奪った得点を評価した。
お立ち台に上った楠本には「粘って犠牲フライや、なんとか食らいついていくっていうところ。バッティングでのタイミングの取り方とか、なんとかバットにコンタクトできるようにと工夫してくれている。それが結果に繋がっている要因だと思います」と高評価。
また柴田のスタメンには「バッティングコーチからも、バッティングの調子が悪くないと聞いていましたし、そういうのを含め、宮﨑もああいう状態ですからその中での柴田です」と理由を説明。役目をキッチリこなしたことに「しっかりと打席でできることをやってくれていますし、守備は申し分ないですから」とつなぎの2つのフォアボールとしっかりと決めた送りバントにも目を細めつつ「一番ヘルメットが似合っていた」と上機嫌でコメントした。
昨日の最後、戸柱恭孝のヘッドスライディングに象徴される粘りを形にし、連敗中にはなかったスターティングメンバーが、しっかりと役割を果たしたこの日の1勝。この勢いを大切に、次戦ヤクルトに挑む。
取材・文=萩原孝弘