◆ 中4日で128球の熱投
DeNAの連敗ストップを託されたトレバー・バウアーが9回・128球を一人で投げ抜き2失点の快投を披露。これぞサイヤング賞投手という見事なパフォーマンスで、暗い流れを一気に変えてみせた。
味方打線は初回からチャンスを作りながらもホームが遠く、前夜までの思いムードが本拠地に立ち込める。すると3回表に二死二塁から並木秀尊の適時打で先制点を奪われ、反撃したい4回裏も一死満塁から無得点。球場には“またか”という空気も漂い始めた。
しかし、マウンド上のバウアーの闘志が衰えることはなかった。5回まで最少失点で踏ん張ると、5回に相手の失策をキッカケにチャンスを作り、桑原将志とネフタリ・ソトの適時打で3得点。一気に試合をひっくり返した。
援護を受けたバウアーはそれに応えるように勢いを増し、7回まで1失点の力投。この時点で97球を要していたが8回も続投すると、ドミンゴ・サンタナに適時打を浴びて1失点。3-2と点差を縮められる。
それでも8回を118球で投げ抜くと、なんとその裏は二死一塁の場面でそのまま打席へ。スタンドのボルテージも一気に上がる。
最終回のマウンドも150キロ超えの速球で相手を押し込み、見事な3人斬りでゲームセット。9回・128球で2失点の熱投で完投勝利を手にした。
◆ 「行けるところまでと思っていた」
試合後、三浦大輔監督は「原点のアウトローでしっかりとカウントを稼ぎながら、気持ちも入って集中していました」と第一声。
続けて「間違えてはいけないところでは絶対に間違えない。ボールになっても、もう一度勝負に行けるようにと。カウントが悪くなって、ボールを投げられない場面でも厳しいところで勝負できていた。時にはゾーンで力勝負することもあり、長打のあるバッターに対しては神経を研ぎ澄ませて投げていた」と投球内容を手放しで称えた。
さらに、9回続投についても「表情を見ていても、疲労感は一切見せずにベンチに帰ってきても集中していました。今日はバウアーです!」と続投の理由を説明しながら殊勲の右腕を労った。
バウアーも「行けるところまでと思っていたので、よかったなと」と笑顔。
自身の投球については「序盤は向こうが良いアプローチをしてきたのですが、中盤以降は自分がしっかりと順応することが出来た。リードしていた展開で、なんとか点を取られないようにと投げた結果だと思います」と振り返る。
完投には「8回終わった時点で、監督から“調子はどうだ、行けるか?”と聞きに来てくれて、“今すごく良い調子なのでまだまだイケます”と答えました」と言い、ベンチでのやり取りを明かした。
最後は本拠地ファンの後押しに「自分でもすごく感じていました。ここのファンは素晴らしいものがあります。マウンドに上ったときもすごい雰囲気だなと思いました」と感謝。
頼れる助っ人が一人で投げ抜き、嫌な流れを断ち切って手にした勝利。この勢いのまま、三浦ベイスターズは再び上昇気流に乗っていく。
取材・文=萩原孝弘