一発含む2安打の角中に迷わず代打
ロッテは8日、敵地での日本ハム戦に3-2で勝利。接戦を制し、先発・美馬学に待望の今季初勝利がついた。
勝負を分けたのが、2-2で迎えた7回表の攻撃。相手先発・上沢直之の前に2人が倒れるも、二死走者なしから藤原恭大が二塁打を放ってチャンスメイク。打順がトップに返り藤岡裕大と角中勝也という左打者が2人続くところで、相手はベテラン左腕の宮西尚生を2番手として送り込んだ。
ここで藤岡がこの日3本目の安打を放ち、二死ながら一・三塁とチャンスを拡大。最高の場面を整えてこの日先制弾を含む2安打と当たっている角中を迎えるのだが、ここでベンチから吉井理人監督が登場。代打・石川慎吾をコールした。
今月に入ってトレードで加入したばかりの30歳にとって、相手の日本ハムは2011年のドラフト3位で指名を受けたかつての古巣。「感謝の気持ち」も胸に挑んだ打席で見事なセンターへの安打を放ち、勝ち越しの1点をもたらした。
8日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した五十嵐亮太氏も、「今日は吉井監督の巧みな采配。特に代打策が見事にハマったと思います」と7回の攻撃に熱い視線を送る。
五十嵐氏は前提条件として「角中選手は本塁打を放って、その後に安打も打っていた。状態が良く振れている打者に代打を送るというのはめちゃくちゃ悩んだと思う」と説明したうえで、相手が左腕に代わったところもあり「藤岡選手・角中選手と左打者が2人続くところでどちらに代打を送るかを考えたと思います」と解説。
番組内で「左が続くところで、打者のスイングと宮西のボールが合うかを考えた時に角中のところでは石川の方が確率が高いと考えた」という吉井監督の談話が紹介されると、五十嵐氏も「見事ですね」とひと言。
続けて「角中選手も当然“おもしろくない”という気分になるところもあるかと思いますが、こうやって代わった選手が打ってチームも勝ったと。石川選手がよく応えましたよね。気持ちのいい勝利になったんじゃないかなと思います」と語り、攻めの采配でもぎ取った一勝の価値の大きさを強調した。
これでロッテは4連勝。ゲーム差なしの1位・2位まで1.5ゲーム差と首位の座を譲って以降も離されることなく食らいついている。
勢いに乗るロッテがどの位置で前後半を分かつオールスターゲームを迎えるのか。パ・リーグの今後を占うポイントとなりそうだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』