イ・リーグ2位の7補殺
「どのポジションであっても肩は武器なので、それを活かせる部分があるならしっかりアピールしていきたいです」。
今年5月に行った取材でこのように話していたロッテの育成・谷川唯人は捕手登録だが、外野で持ち前の“強肩”を存分に発揮している。
今週は4試合中3試合で補殺を記録。11日のヤクルト二軍戦では、3-3の8回無死一、二塁から澤井廉のセンター前安打を、センター・谷川が本塁へワンバウンド送球でホームを狙った二塁走者の岩田幸宏を刺すと、13日のヤクルト二軍戦では、6-2の4回無死満塁で赤羽由紘の左中間への飛球をセンター・谷川がキャッチし、ワンバウンドでホームに送球して三塁走者・澤井を本塁で刺した。13日のプレーは普通であればホームインされてもおかしくない当たりと距離、それをアウトにした。
14日の西武二軍戦では、8-6の7回一死一、三塁から滝澤夏央のセンターフライをキャッチし、三塁を狙った二塁走者・牧野翔矢を刺した。イースタン・リーグの外野手の補殺ランキングを見ると、1位・村川凪(DeNA)の10補殺に次いでリーグ2位の7補殺をマーク。
肩の強さは学生時代から武器にしており、20年12月9日に行われた新入団選手発表会でも「いち早く支配下に上がれるよう、自分の持ち味である肩というのをしっかりアピールして頑張っていきたい」と意気込んでいた。 「小さい時は(肩が強かったか)あんまりわからないですね」と話したが、自身が強肩だと「意識始めたのは中学生の頃から」とのことだ。
外野守備
谷川は捕手登録でありながら、ここまで外野で41試合、三塁で11試合、捕手で10試合と、複数のポジションで出場する。
「野球を始めた頃は外野とかをやっていました。人数が少ないとかもあったので、いろんなポジションをやっていた」と学生時代から色々なポジションを守っていた経験があった。
「首脳陣が外野だったら試合に出られるとおっしゃっていたので、やらせてもらっています」と出場機会を増やすために昨季から外野の守備にも挑戦。
外野を本格挑戦し始めた昨季は「自分のポジションではないので難しさはあります。投げたりすることはそんなに難しくないんですけど、試合の前後の打球というのはまだ慣れないというところがありますね」と話していたが、今年5月に取材を行った時には「去年やっていたというもあって、難しいですけど対応は少しできるようになっていると思います」と外野の守備にも慣れ、自信を持ってできている。
外野手で出場することが多いが、「今はしっかりと託されたポジションでしっかりアピールしていって、キャッチャーのチャンスが来たらそこで掴めるようにしたい」と、本職である捕手で出場したいという思いは強く持つ。どこのポジションであっても、谷川の肩の強さは大きな武器。育成選手時代に現在谷川が背負う『122』を着けていた和田康士朗は“足”の速さ、走塁をアピールし、支配下選手登録を勝ち取った。谷川も守備、肩という部分を伸ばしつつ、打撃も磨き、背番号『122』の先輩・柿沼友哉、和田と同じように背番号2桁を1日も早く掴みたいところだ。
取材・文=岩下雄太