「目の前にベースが見えたので……」
巨人は15日、神宮でのヤクルト戦に1-3で敗戦。相手投手陣の前に散発の3安打・10三振と封じ込まれ、3連敗で貯金をすべて吐き出した。
3回に吉川尚輝のソロで先制点を奪った巨人だが、以降はホームが遠い展開に。4回に内野ゴロの間に追いつかれ、スクイズで逆転を許すと、6回にはホセ・オスナの豪快弾で2点差に突き放された。
食らいつきたい終盤も3イニングで走者は四球の一人だけ。オールスター戦を目前に控え、今季の成績が40勝40敗1分の勝率5割に戻った。
15日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した鳥谷敬氏は、4回の巨人の守備に注目。無死満塁から元山飛優の一ゴロの間に三塁走者が還って1-1の同点とされるのだが、この時の一塁手・秋広優人の判断について言及した。
たしかにこのケースであれば、一塁手がゴロを捕球したら本塁に送って“ホームゲッツー”を狙うか、少なくとも二塁に送っての3-6-3や3-6-1の併殺を狙うというのがセオリーだろう。しかし、この場面の秋広は打球がライン際に来た影響もあってか、身体を傾けながら捕球した流れで一塁ベースを踏んでからホームに転送。一塁を踏んだことで本塁はタッチプレーとなってしまい、その分同点のホームインを許す形となってしまった。
鳥谷氏は「もちろんホームに投げるという選択が頭にあったと思うんですが、捕ったところにベースがあったので踏んでしまったという。また、ベースを踏んだことによって体勢も崩れてしっかりとホームに投げられなかったのかなと」と解説。
続けて、定位置よりも前寄りの守備隊形から“ホームゲッツー”を狙う作戦だったと推測したうえで、「身体が振られる格好となって、目の前にベースが見えたので踏んでしまったということだと思う」とコメント。“咄嗟の判断”が裏目に出たとまとめた。
直後には原辰徳監督がベンチで思わず苦笑いを浮かべるシーンも。バットでは奮闘を見せている3年目・20歳の若武者だけに、今後はこの経験を活かした守りでの貢献にも期待したいところだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』