屈辱の前半戦“3タテ締め”
中4日で熱投を見せるトレバー・バウアーに対し、バックは援護どころか守備で足を引っ張ってしまい、DeNAはオールスター前最後の3連戦を屈辱の3連敗で終えた。
バウアーは初回に二死満塁のピンチを無失点でしのぐと、打線が直後の攻撃で佐野恵太に適時打が飛び出し幸先良く先制に成功する。5回に内野ゴロの間に追いつかれるものの、6回まで95球で1失点の力投を展開した。
ところが7回、またもやバックが拙守を連発してしまう。先頭の投手・床田寛樹がセンター前に弾き返した打球を桑原将志がファンブルし、その間に二塁への進塁を許してしまう。そこから2つのアウトを奪ったが、二死二塁から秋山翔吾の打球はライトの前へ。二塁走者が投手のためホーム突入は微妙なところだったが、右翼手・蝦名達夫がチャージをかけず大事に捕球したスキに生還を許し、勝ち越し点を献上してしまった。
打線も2回以降は立ち直った床田の前に沈黙し、9回に二死一塁から大和が内野安打を放つもあと一本が出ず。投手陣の踏ん張りにバックが応えられず、痛恨の3連敗を喫した。
試合後、バウアーは「なんとか良いピッチングはできたと思います。スプリット、カーブ、ストレートもカットも全て良かったと思います。ほんの少しのところでなにかが変わってくれれば、1-0で勝っていたかもしれないゲームでしたが、うまく行かなかったゲームでした」とコメント。
続けて、「今日は勝たなければいけなかった試合だと思いますし、ランナーを出しながらも粘ることができたんですが、(勝利には)少し届かなかったなと思います」と悔しさを口にした。
また、勝ち越しを許した7回については「フラストレーションがありました」と振り返ったものの、味方の守備について問われると「起きたことは起きたこと。三振を取っていれば点は入らなかったです」と意に介さず。
そのうえで「ロッカーにいる誰もが、いまはハッピーな気持ちではない。みんなが悔しい思いをしていると思います」と続け、「チームとしてこのカードはいい試合ができなかったと思うので、その結果がこのように出ている。優勝するチームの野球ができていなかった。それはチームとして考えていかなければならない」と総括した。
三浦大輔監督はバウアーについて「ランナーを出しても粘りの投球というか、よく踏ん張ったと思います」とまずまずの評価。
反対に、勝負を分けたミスに関しては「重なりましたね。ああいうところだと思います。接戦ではミスをしたほうが負けるというね。昨日もそうでしたけど、まだまだそこは取り組んでいかないといけないところ」とし、「隙を見せるとこういう風にやられる。どれだけみんなが集中できていたかどうか、課題に目を向けてやっていかないといけないと思います」と語気を強めた。
ただ「なんとかしてやろうというみんなの悔しい思いが充満していましたので。後半爆発できるように持っていきます」と付け加え、指揮官はオールスターブレイクを挟んではじまる“後半戦”を見つめている。
短い期間ではあるが、時間を空けることで立て直すことができるか。凡事を徹底して、再び頂へ向けて戦っていく。
取材・文=萩原孝弘