【第94回都市対抗野球大会・1回戦】
○ JR四国 1X - 0 東京ガス ●
(17日・東京ドーム)
3年連続24回目出場の東京ガス(東京都)は、“ボンバー”の愛称でお馴染みの高橋佑樹投手(25)が7回無失点の力投も、打線がわずか1安打と沈黙。延長11回タイブレークの末、JR四国(高松市)にサヨナラ負けを喫し、初戦敗退となった。
ボンバーが初戦で姿を消した。序盤は東京ドームのマウンドへの対応に苦しんだが、力のある直球に120キロ台のチェンジアップなどを効果的に織り交ぜて、相手打線に的を絞らせず。粘り強い投球でスコアボードに「0」を並べ続け、相手先発・近藤と白熱の投手戦を演じたが、打線が本来の力を発揮できず。7回114球を投じ、6安打無失点と先発の役割は十分果たしたが、「流れを持ってくる投球ができなかった。結果的に0点で抑えられたけれど、ピッチング自体はボール先行になったことで守備の時間が長くなり、野手には迷惑をかけた。反省です」と悔しさをにじませながら、言葉を振り絞った。
チームは2回戦進出を逃したが、左腕は社会人の聖地で自らの成長を証明した。トレーナーから「左のお尻をうまく使えるようになったら、もっと良くなると思う」と助言を受け、昨夏の都市対抗を終えた後から尻周りを中心とした下半身強化に励んだ。トレーニングを重ねることで尻周りへの力の入れ方、筋肉を操作する感覚を養い、より安定した投球を確立。「安定した出力で、毎回同じフォームで投げられるようになった。球速は変わらなくてもファウルや空振りが取れるようになって、以前は決め球が変化球だったが真っすぐでも勝負できるようになった」。直球の精度が向上したことで、より変化球が効くようになり、この日も巧みにタイミングを外す投球が光った。
進化を遂げ、社会人4年目を迎えた今年は「先発全試合HQS(7回以上自責2以下)達成」を目標に設定。都市対抗前の公式戦では先発した8試合のうち2試合で7回以上投げることができなかったが、いずれも6回2失点とQS(6回以上自責3以下)を達成。6月に行われたJABA北海道大会・ロクテクノ富山戦では9回1失点で自身社会人入り後初となる完投勝利を飾るなど、安定した成績を残し続け、都市対抗では大事な初戦の先発マウンドを託された。試合には敗れたものの、全国の舞台でもHQSをマークし「思った通りに投げて思った通りの反応をバッターにさせる、その精度が上がってきたなと感じた。自分のコマンドが増えてきたかなという手応えは掴めた」と好感触を得た。
先発の柱として躍動を続ける左腕だが、決して現状に満足しているわけではない。「臼井さんがあれだけいいピッチングをしたので、これからまたチーム内でも競争が始まる。エースになりたいので、納得できる結果を残し続けたい。今日は僕のテンポの面も少なからず影響していたと思うので、そういうブレすらないようなピッチャーになりたい」。先輩を追い越し、勝てる投手へ。確固たる地位を築き、名実ともにエースの座へと上り詰める。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
○ JR四国 1X - 0 東京ガス ●
(17日・東京ドーム)
3年連続24回目出場の東京ガス(東京都)は、“ボンバー”の愛称でお馴染みの高橋佑樹投手(25)が7回無失点の力投も、打線がわずか1安打と沈黙。延長11回タイブレークの末、JR四国(高松市)にサヨナラ負けを喫し、初戦敗退となった。
ボンバーが初戦で姿を消した。序盤は東京ドームのマウンドへの対応に苦しんだが、力のある直球に120キロ台のチェンジアップなどを効果的に織り交ぜて、相手打線に的を絞らせず。粘り強い投球でスコアボードに「0」を並べ続け、相手先発・近藤と白熱の投手戦を演じたが、打線が本来の力を発揮できず。7回114球を投じ、6安打無失点と先発の役割は十分果たしたが、「流れを持ってくる投球ができなかった。結果的に0点で抑えられたけれど、ピッチング自体はボール先行になったことで守備の時間が長くなり、野手には迷惑をかけた。反省です」と悔しさをにじませながら、言葉を振り絞った。
チームは2回戦進出を逃したが、左腕は社会人の聖地で自らの成長を証明した。トレーナーから「左のお尻をうまく使えるようになったら、もっと良くなると思う」と助言を受け、昨夏の都市対抗を終えた後から尻周りを中心とした下半身強化に励んだ。トレーニングを重ねることで尻周りへの力の入れ方、筋肉を操作する感覚を養い、より安定した投球を確立。「安定した出力で、毎回同じフォームで投げられるようになった。球速は変わらなくてもファウルや空振りが取れるようになって、以前は決め球が変化球だったが真っすぐでも勝負できるようになった」。直球の精度が向上したことで、より変化球が効くようになり、この日も巧みにタイミングを外す投球が光った。
進化を遂げ、社会人4年目を迎えた今年は「先発全試合HQS(7回以上自責2以下)達成」を目標に設定。都市対抗前の公式戦では先発した8試合のうち2試合で7回以上投げることができなかったが、いずれも6回2失点とQS(6回以上自責3以下)を達成。6月に行われたJABA北海道大会・ロクテクノ富山戦では9回1失点で自身社会人入り後初となる完投勝利を飾るなど、安定した成績を残し続け、都市対抗では大事な初戦の先発マウンドを託された。試合には敗れたものの、全国の舞台でもHQSをマークし「思った通りに投げて思った通りの反応をバッターにさせる、その精度が上がってきたなと感じた。自分のコマンドが増えてきたかなという手応えは掴めた」と好感触を得た。
先発の柱として躍動を続ける左腕だが、決して現状に満足しているわけではない。「臼井さんがあれだけいいピッチングをしたので、これからまたチーム内でも競争が始まる。エースになりたいので、納得できる結果を残し続けたい。今日は僕のテンポの面も少なからず影響していたと思うので、そういうブレすらないようなピッチャーになりたい」。先輩を追い越し、勝てる投手へ。確固たる地位を築き、名実ともにエースの座へと上り詰める。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)