「喜んでもらいたいという気持ち」“全球ストレート”経験者の五十嵐氏も称える
『マイナビオールスターゲーム2023』の第2戦が20日にマツダスタジアムで行われ、オールパシフィックが6-1で快勝。2021年の第2戦から続く連勝を「5」まで伸ばした。
敗れたオールセントラルの中で、ひと際存在感を発揮したのがDeNAのトレバー・バウアーだ。4回にチーム3番手としてマウンドに登ると、事前に予告していた“球種予告”投球を本当に実行。グラブでバッターに指示しながらのピッチングはいきなり先頭打者の万波中正にスライダーをスタンドに運ばれたものの、その後も“予告”は最後まで継続していく。
被弾後も2本の安打を浴びて内野ゴロの間に1点を失ったが、万波の本塁打の直前に捕手の大城卓三がファウルフライを落球していたこともあって1回2失点ながら自責は0という成績で降板。「オールスターとても楽しむことができました。球種を教えて投球するのはとても良かったです。全球団ファンの皆さんが声援してくれたのでとても感謝してます!」と普段の鬼気迫る表情とは180度違う満面の笑みを浮かべ、日本の球宴を振り返った。
20日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、バウアーの“球種予告”投球が話題に。スタジオには過去のオールスター戦で全球ストレート勝負に挑戦した五十嵐亮太氏も出演しており、MCの野村弘樹氏は「五十嵐さんも似たようなことをされていますよね。全部ストレートと相手も分かっている中で勝負をする。こういう時の心境ってどうなんですか?」と投げかけた。
質問を受けた五十嵐氏は「抑える気持ちは強いですよね。その中でどうなるのかという楽しみはあると思います」としつつ、「ただ、打たれた時は途中で“どうしようかな”と思う」と自身の経験を振り返りながら正直にコメント。「負担は掛かるんですが、それよりもファンのみなさんに喜んでもらいたい、オールスターで何か特別なものをお見せしたいという気持ちが勝ったからこそ、最後までこういったピッチングをしたのかなと思います」と続け、“ファンファースト”のバウアーだからこそのパフォーマンスだったのではないかと推測した。
もともとファン投票に選手間投票、監督選抜でも出場権を得られなかった中で、最後の男を決するプラスワン投票によって夢の球宴への道が開いただけに、ファンに恩返しをという想いはより一層強くなっていたことだろう。
気持ちのこもった投球に、野村氏も「男気のあるイニングでした」と絶賛。前代未聞の投球でお祭りを盛り上げたバウアーは、やはりスーパースターだった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』