ニュース 2023.07.21. 06:00

ENEOS・関根智輝、黒星も課題と収穫の111球「質が良ければ、もっと長いイニングを投げられる」

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ENEOS・関根智輝投手
【第94回都市対抗野球大会・2回戦】
○ トヨタ自動車 3 - 1 ENEOS ●
(20日・東京ドーム)

 前回王者・ENEOS(横浜市)がトヨタ自動車(豊田市)に逆転負け。2回戦敗退で、史上初となる3度目の2連覇とはならなかった。先発した関根智輝投手(24)は6回に同点を許して降板。2番手・加藤が勝ち越しを許し、3年連続の8強入りを逃した。

 あと一歩、粘りきれなかった。関根は悔しげに打球を目で追うしかなかった。1点リードの6回。一死二塁のピンチを招くと、3番・北村に中前適時打を浴びて、試合を振り出しに戻された。その後二死から四球を与えたところで降板し「回の途中で降りてしまったことは、反省すべき」。2番手・加藤も失策が絡むなど2点を失い、試合の流れを決められた。

 右腕は5回2/3を111球、3失点(自責2)で黒星を喫したが、大久保秀昭監督(54)が「今年一番良いんじゃないかというくらいの投球」と話したように、優勝候補との対戦で5回まで2安打無失点の快投を披露。Honda鈴鹿からの補強選手・森田との投手戦を展開し「ある程度高い出力を維持できるようになってきたし、もし次の試合があっても投げられる状態。そういった意味での体力は、去年より増して付いてきたと思う」。最速150キロを計測した自慢の直球は後半に入っても衰えることはなく、9つの三振を奪った。

 一方で「課題は1つ1つの球種の質、精度。質が良ければ、球数も少なくなっていたし、もっと長いイニングを投げられると思う」と次なる課題も明確だ。相手の勢いを断てなかったことが降板につながったが、指揮官は「本当はあそこで投げ負けずにゼロでいけるくらいの実力はある。今後の課題として、一人で投げ抜くというところを目指してやってほしい」と右腕の背中を押した。

 惜しくも逆転負けで2連覇の夢は途絶え、“ミラクルアゲイン”とはならなかったが「日本選手権に向けて、自分の課題にしっかり目を向けて練習していきたい。野球の悔しさは野球でしか晴らせないと思うので、また頑張りたい」と背番号15。さらなるレベルアップに励み、小さい頃からの夢であるプロの舞台を目指す。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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