ニュース 2023.07.21. 20:40

三菱自動車岡崎が20年ぶり8強入り ルーキー・中村奎太が社会人第1号となる決勝弾「すごく嬉しかった」

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三菱自動車岡崎・中村奎太外野手
【第94回都市対抗野球大会・2回戦】
○ 三菱自動車岡崎 9 - 3 SUBARU ●
(21日・東京ドーム)

 三菱自動車岡崎(岡崎市)は12安打9得点の猛攻でSUBARU(太田市)を下し、20年ぶりのベスト8進出を決めた。ルーキーの中村奎太外野手(23)は社会人第1号となる決勝アーチを放ち、勝利に大きく貢献した。

 祈るような気持ちで、中村奎は打球の行方を見つめた。同点を許した直後の4回、先頭で迎えた第2打席。「先頭バッターだったので、とにかく出塁して後ろに繋ごうという気持ちでした」。カウント2−1からの4球目、高めに浮いた139キロ直球をフルスイング。ライナー性の打球は右翼スタンドに突き刺さった。社会人第1号となるメモリアルアーチは試合を決める決勝弾。「フェンスは越えないかなと思っていたんですけど、運よく入ってくれた。狙ってはいなかったんですけど、ストレート一点張りで打っていった中で、自分の理想のバッティングができたので嬉しかったです」と笑顔でダイヤモンドを一周した。

 悔しさをバットに乗せた。東海地区二次予選では全5試合に「7番・中堅」で先発出場も15打数1安打に終わり、「予選の期間は本当に先輩たちに迷惑かけてばっかりだった。全く打てなくて、悔しい思いをした」。本大会へ向けて伊藤ヘッドコーチ、明大の10学年先輩である小室和弘内野手(32)と話し合いながら打撃フォームを微調整。「右足に体重をかけて強く踏み込むことを意識して、小室さんからも左足が前に行くくらい右足に体重をかけるように言われていた。練習、打席に入る前の素振りから意識してやることで、良くなっていった」。都市対抗デビュー戦となった1回戦・セガサミー戦では2安打をマーク。この日は値千金の勝ち越しアーチを放ち、「追いつかれてすごくチームも苦しい状況が続いていたので、そこで一本出せたことは自分としても良かった。先輩たちからも『よくやった!』と言ってもらえてすごく嬉しかったです」と笑顔で振り返った。

 チームの最高成績は準優勝。20年ぶりの4強入り、悲願の優勝に向けて「チームのために何ができるのか、犠牲になってでもチームが勝つことだけを考えてやってきている。一発勝負の世界なので調整が難しいが、今後も一球一球を大切にしていきながら、先輩方とともに自分と古川の新人もガンガン気合い入れて優勝までいけたら」と背番号31。次の出番でも、チームを勝利に導く一打を放つ。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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