160キロ超え1球も試合を作る粘投
令和の怪物・佐々木朗希が6回を投げ切り1失点の好投を披露し、自軍のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
オールスター第1戦の先発から中4日で登板した佐々木朗希は、初回先頭の牧原大成にレフト前に運ばれ、二死二塁から4番の中村晃にライト前にタイムリーを浴び先取点を許す苦しい立ち上がり。その後もランナーを背負うピッチングながらも、徐々にピッチを上げていき6回を93球、被安打4、奪三振9、与四球1、失点1でお役御免。160キロオーバーは6回の柳田悠岐と対峙した場面の1球のみで、連続2桁奪三振も3試合でストップしたが、しっかりと試合を作ることには成功した。
24日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説として出演した笘篠賢治氏は「立ち上がりはそんなにいいかな? というような感じだったんですよね。ストレートもシュート回転して中に入って来ていましたし、圧倒的にフォークに頼るようなピッチングだったので」といつもの調子ではなかったと回想。
「でもソフトバンク打線が強振せずにコツコツ当ててくるようなバッティングをして来たにも関わらず、6回で9奪三振。そこは素晴らしいなと。あと1本というところは打たせない、粘り強いピッチングは流石だと思いましたね、防御率(1.48)に表れているなと思いましたね」と奪三振能力とホームを踏ませぬ内容を絶賛した。
同じく解説の谷沢健一氏も「オールスターから中4日できてるんですよね。序盤は球種を選択するときにフォークが多く、スライダーも投げるんですよね。だからストレートにもうひとつ自信がないのかなというような立ち上がりでしたね」と笘篠氏と同様の見立て。「それが回を追うごとにストレートの威力が増してくる。フォークも柳田(悠岐)選手を打ち取ったようなのを投げられたら打てないですよ」と尻上がりに調子を上げたピッチングを称えていた。
8勝目はならなかったものの、劇的勝利で負けも付かなかった佐々木朗希。先発としての仕事を全うする姿は、しっかりと成長を感じさせた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』