苦戦するロイヤルズの象徴的存在…?

◆ 苦戦が続く2015年の世界一王者

 今季のメジャーリーグにおいて、開幕から悪い意味で話題を振りまいてきたのが、つい先日まで藤浪晋太郎が所属していたア・リーグ西地区のオークランド・アスレチックスだろう。

 現地時間25日終了時点の成績は28勝75敗で、勝率は.272と低迷。今のペースなら、シーズン終了時点で44勝118敗となり、借金を74も背負うことになる。

 そんなアスレチックスに“負けず劣らず”の成績を残しているのが、ア・リーグ中地区のカンザスシティ・ロイヤルズだ。

 2014~15年にかけて2年連続でワールドシリーズに出場を果たし、15年には30年ぶり2度目の世界一にも輝いた強豪である。

 しかし、翌16年こそちょうど勝率5割でシーズンを終えたが、17年以降はシーズン負け越しを継続中。29勝74敗(勝率.282)の今季も、あと8敗で7年連続の負け越しが確定するという状況だ。

 アスレチックスを僅か“1ゲーム差”でリードするロイヤルズだが、オールスター後も3勝9敗となかなか復調の糸口をつかめずにいる。

◆ 頼みの2枚看板がまさかの……

 そんな今季のロイヤルズを象徴しているのが“2人の投手”である。

 1人目は、通算224勝を誇る技巧派右腕のザック・グリンキー。昨季開幕前に2010年までプレーした古巣と1年契約を結んで復帰したものの4勝しか挙げることができず、今季開幕前に改めて1年契約を結び、完全復活を期してシーズンに臨んだ。

 ところが、グリンキーを待ち受けていたのは連敗地獄だった。4月末までに4連敗を喫し、5月の最初の登板で今季初勝利を挙げたものの、その後は7連敗。今季成績は20試合に登板し、1勝11敗、防御率5.49となっている。

 たった1人で借金10を背負っているグリンキーだが、それ以上に深刻なのが開幕2戦目に先発した32歳の右腕ジョーダン・ライルスだ。

 ライルスは21年にレンジャーズで10勝、22年にオリオールズで12勝。2年連続で2ケタ勝利を記録し、FAとなった昨年末にロイヤルズと2年契約を結びエース候補として加入した。

 2ケタ勝利とはいかなくとも、“イニングイーター”として期待されたライルスだったが、開幕から全く勝利を記録することができず。6月中旬までに11連敗を喫すると、同月24日のレイズ戦でようやく移籍後初勝利を挙げたが、いまだその1勝にとどまっている。今季成績は19試合に登板し、1勝12敗、防御率6.19という惨憺たるものだ。

 ちなみに、グリンキーとライルスの今季年俸は同じ850万ドル(約12億円)。これはチーム内で2000万ドル(約28億円)のサルバドール・ペレスに次ぐ2番目の高額年俸である。

 2人合わせて「24億円」で「2勝23敗」……。チームを牽引する立場の2人がこのまま復調の兆しを見せなければ、アスレチックスに抜き去られるのは時間の問題かもしれない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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