指揮官も絶賛の一打
ヤクルトは29日、神宮球場でDeNAと対戦。5-3で勝利し、連敗を「5」でストップさせた。
4連勝のあとに5連敗。チームはなかなか波に乗り切れないが、塩見泰隆が27日から一軍に復帰して3番を務めると、この日は先制の4号ソロを含む2安打1打点。2試合連続のマルチ安打で存在感を見せつけた。
さらに塩見の後を打つ村上宗隆にも一発が飛び出す。4回二死から左翼席へ18号ソロを放ち「しっかり押し込むことができましたし、良い角度で上がってくれました。勝ち越すことができてよかったです」とコメント。DeNA先発・大貫晋一の4球目を捉えた打球は、村上らしい逆方向へのアーチだった。
中軸の本塁打により2-1とリードを奪うも、先発・小川泰弘が6回表に相手の4番・牧秀悟に手痛い一発を被弾。17号ソロを浴びて再び同点とされてしまう。
それでも、直後の攻撃で二死ながら二・三塁のチャンスを作ると、代打の濱田太貴が「必死にバットに当てて、必死に走りました」とショートへ適時内野安打を放ち、3-2とみたびリードを奪う。
援護を受けた小川は7回表もマウンドに登り、球数は100を超えながらも意地の三者凡退。7回を投げきったことで通算1500投球回も達成し、この日は7回8安打2失点でマウンドを降りた。
「序盤は良くなかったですけど、何とか修正して粘ることができました」と小川。髙津臣吾監督も「ランナーを出してから、そこからすごくよく粘ったんじゃないかと思います。2失点でいけた要因だと思います」と話した。
打線はその後も7回裏・8回裏と1点ずつを加え、リリーフ陣では清水昇が2試合連続で失点を喫したものの、5-3の9回は田口麗斗が締めてゲームセット。22日の阪神戦以来となる白星を掴んだ。
指揮官は久々の一発を放った村上の活躍にも「あれだけ逆方向ヘ飛ばすのはムネしかいない」と賛辞の言葉を送った。
連敗ストップに貢献した主砲は「勝ち切れて良かった」とひと言。本塁打だけでなく、8回にも貴重な適時二塁打を放って2安打2打点の活躍を見せた4番の活躍とともに、チームも浮上する。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)