土壇場9回に2点を奪って逆転サヨナラ勝ち

　広島は4日、本拠地で巨人に4－3でサヨナラ勝ち。1点を追う土壇場9回裏に追いつき、一気に追い越して引き分けを挟んで2連勝とした。

　2－3と1点ビハインドで迎えた9回裏、6番手・中川皓太に対して先頭の菊池涼介が安打で出ると、野間峻祥も強攻策でセンターへの安打を放ち、無死一・二塁から秋山翔吾が犠打。これを処理した中川は三塁に送るもこれがセーフとなり、野選で無死満塁とチャンスが拡大した。

　続く上本崇司は浅い左飛で走者は動けなかったものの、一死から小園海斗が初球を叩いてライトに運ぶ適時打。まず同点に追いつくと、なおも一死満塁から代打の松山竜平が同じように初球を弾き返し、一塁手・岡本和真のミットを弾く間に三塁走者が生還。サヨナラの適時内野安打となった。


　4日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた高木豊氏は、「本当に思い切りが良いですよね」と2者連続の初球攻撃で試合をひっくり返した打線の“積極性”に熱い視線を送る。

　同じく番組に出演した谷沢健一氏も「小園は中川投手の肩口から入ってくるカーブを狙っていましたよね。うまく引っ張り込んで打った」とし、「松山もインサイドの難しいところにうまく投げていたんですけどね」と解説。決して甘いボールではなかった中、見事に1球で仕留めた打者が一枚上手だったと語った。


　また、大矢明彦氏は満塁という状況から「まずストライク先行させたいと考える」という点と、「左対左だと、その利点を活かしたいというところもあったかもしれない」という2つのポイントを挙げ、巨人バッテリーが初球からストライクを取りに来ることが予想しやすかったのではないかと推測。

　そのうえで「小園に変化球から行ったのを打たれたので、逆に松山に対しては変化球を打たれたというところで真っすぐ系統のボールでいったのかなと。その点も、カープのバッターがしたたかだった」と続け、元捕手の視点からこの場面の“駆け引き”について解説した。

　一時は首位に立ちながらも阪神に先行を許している広島だが、勢いの付く勝ち方をキッカケに再び首位の座を脅かすことができるか。まずはカード勝ち越しがかかる5日の試合が重要となる。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』