引っ張った打撃も
ロッテのドラフト2位ルーキー・友杉篤輝は、開幕からファームに落ちることなく一軍でプレーし続け、46試合に出場して、打率.291、7打点、12犠打、8盗塁をマークする。
前半戦はセンターから逆方向への安打が多かったが、7月18日に行われたフレッシュオールスターで「試合前はホームランを狙っていましたが、ほど遠かったです!ただしっかりと2本打てたことは良かったです」とレフトに引っ張った安打を2本放った。
フレッシュオールスターを境に引っ張った安打が増えた印象だ。オールスター明けは後半戦最初の打席となった7月24日のソフトバンク戦、0-1の初回無死走者なしの第1打席、石川柊太から左中間を破る二塁打を放てば、7月26日の西武戦でも、1-2の6回一死走者なしの第3打席、與座海人が1ボール1ストライクから投じた3球目の127キロストレートをレフトの頭を越える二塁打と、後半戦は8安打中4安打が引っ張った安打。
「特に意識はしていないですけど、ちょっとずつ振れるようにというか、力負けしないようになっているのかなと思います」。
状況によっては右方向に進塁打を打ったり、センター、ライト方向への安打も打っている。「センターから右中間よりに守っていたり、ライトがだいぶ前に守っていたりするので、見ているんですけど、引っ張るというよりはセンターへの意識で打っているようにしています」。
代走での出場には
開幕してから藤岡裕大と併用でスタメン出場しているが、ベンチスタートの時には主に代走で出場している。
「スタメンよりも代走は大事な場面で出るので、緊張感はあります」。
6月10日の広島戦では2-2の6回にライト前安打で出塁したポランコの代走で登場し、続く山口航輝の打席中に盗塁を決め、角中勝也のライトへのフライでホームに生還した。最近では8月1日の日本ハム戦、3-2の9回二死一塁からセンター前に安打を放ったポランコの代走で出場し、続く山口の打席で二塁盗塁を決めた。絶対に失敗が許されない場面でも、代走としての役割を果たしている。
「スタメンじゃないときは5回以降、常に準備しているので、いい感じです」と、ベンチスタートの時の準備の仕方も徐々に掴みつつあるようだ。
体力面も心配なし
大学時代は春と秋にリーグ戦を戦ってきたが、プロは春先から休みなく戦っている。特にこの時期はとても暑く、本拠地・ZOZOマリンスタジアムは屋外球場。ドームに比べると、過酷だ。それでも友杉は「毎日出ているわけではないので、体力的にしんどいとかというのはないですね」と頼もしい言葉が返ってきた。
「チームが良い位置にいて、優勝争いできていると思うので、優勝できるように何かチームに貢献できるように1試合1試合やっていきたいと思います」。リーグ優勝を目指し戦っていくチームの一員として、ルーキーらしくはつらつとプレーしていく。
取材・文=岩下雄太