打線の奮起でエースの負け消した
4点のビハインドをひっくり返したDeNAが、7-4で中日に快勝。横浜スタジアムに久しぶりの歓喜の瞬間が訪れた。
先発の今永昇太は今季3戦2勝、防御率0.78と圧倒している得意な相手との対戦だったが、初回から不運な当たりもあって4連打を含む5安打集中で4失点。まさかのスタートとなってしまう。
それでも、2回以降も毎回走者を背負う展開ながらホームは踏ませぬ粘りを見せると、打線は4回裏にネフタリ・ソトの2ラン、大田泰示の連続本塁打で1点差とし、5回裏には牧秀悟が同点の適時三塁打。中盤で試合を振り出しに戻した。
今永も初回の4点で6回まで粘り、2番手の山﨑康晃が7回をピシャリと抑えると、その裏に一死一塁から牧が2打席連続の適時打となる二塁打。ついに1点を勝ち越し、さらに大田のこの日3本目の安打が適時打となってもう1点。8回には佐野恵太の適時内野安打で着実に加点していく。
リードを奪った後はJ.B.ウェンデルケン、森原康平とつないで逃げ切り成功。7月6日以来となる横浜スタジアムでの勝利を掴んだ。
試合後、三浦大輔監督は「久しぶりですね」と安堵の表情で第一声。今永については「悪かったですけど、4点以降なんとか踏ん張ってゼロで抑えた。追加点を与えなかったところが勝ちに繋がった」と2回以降の粘りを評価。
また、最後の6回を三者三振で終えた点を挙げ、「流れもわかる投手ですから。あそこで出し切ってリズムを作ってくれた」とエースを称える。
さらに「その後を受けたヤス(山﨑康晃)も良いリズムでピッチングをして、攻撃に移すことができました」と続け、勝ち越しを呼び込んだ山﨑の好投も勝利のポイントに挙げた。
久しぶりに7得点とつながった攻撃陣には「ピッチャーが我慢していたところでのホームランで、一気に勢いをつけてくれた」と効果絶大の一発攻勢を振り返りつつ、「打つだけではなく、四死球で出たランナーを返せたことも大きかったと思います」と一丸となって戦えたと満足していた。
また、起用に応えた大田についても「暑くなってきて上がってきたかな」とし、2安打2打点の牧にも「ここっていうところで打ってくれて、繋いでくれた」とお立ち台コンビを称賛。
続けて「関根(大気)も走塁で一気にホームまで還ってきてくれたし、上がってきた林(琢真)も盗塁を決めて、思い切って走ってくれたところもチームにとってプラスかなと思います」とし、走塁で得点に貢献した選手たちの躍動にも目を細めた。
そして最後は、日曜の試合で代打を送られるという屈辱を味わいながらも2安打1打点と奮起した佐野にも言及。「思うところがある中での今日の試合で、打点がついたことは大きいと思います。1打席目から集中していましたし、気合いも入っていて、しっかりと切り替えて今日の試合に臨んでくれていたと感じました」と労った。
勝率5割に戻り、負ければ借金生活に転落という中での大きな一勝。指揮官も「もう一度積み上げていけるようにやっていきます」と宣言した。
苦しんで掴んだこの日の勝利を大切に、あすも上だけを見て戦って行く。
取材・文=萩原孝弘