2023.08.08 17:45 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 7 | 終了 | 4 | 中日ドラゴンズ |
横浜 |
○ DeNA 7 - 4 中日 ●
(8日・横浜)
DeNAは4番・牧秀悟内野手が同点打と決勝打を放ち、4点差をひっくり返して中日に逆転勝ち。本拠地・ハマスタでは7月6日のヤクルト戦以来となる白星を挙げ、再び3位に浮上した。
ここぞの場面でチームを勢いづけられるのは、やはり牧だった。快音を残した打球が右中間を破ると、しばらく鳴り止まない歓声と拍手が背番号2に注がれた。4−4の同点で迎えた7回一死一塁。フルカウントから外角高め142キロの直球を鮮やかに流し打ちし、決勝のタイムリー二塁打。「追い込まれていましたが必死に食らいついて、がむしゃらにいきました」。二塁に到達すると両手を叩いて喜びをあらわにし、自軍ベンチに向かって何度も左拳を突き上げた。
反撃の口火を切ったのも、試合を振り出しに戻したのも牧だった。4点を追う3回、先頭で迎えた第2打席は「しっかり出るつもりで、出塁することだけを考えていました」とフルカウントから3度ファウルで粘って9球目で四球を選び、続くソトの7号2ランをお膳立て。大田にも2号ソロが飛び出して1点差に迫ると、5回二死一塁では風を味方につけ同点の右越え適時三塁打を放つなど、2安打2打点と躍動。「同点打もそうですし、いい感覚で打てたので続けていけたら」と4番の仕事を全うした。
トンネルを抜けた先には、久々に味わう歓喜の瞬間が待っていた。この日の試合前までチームは1日の広島戦(マツダスタジアム)で勝利を挙げて以来、白星から遠ざかっていた。前カードの対阪神戦では3タテを食らい、ハマスタ8連敗で4位転落。最大12あった貯金だけでなく、自力優勝の可能性も消滅し、「自分が入団してから今までにないくらい暗いというか、ベイスターズらしくない雰囲気だった」と悪い流れを払拭できずにいた。この日も先発したエース・今永が初回にまさかの4失点といきなり出鼻をくじかれ「今永さんでもああいう風に崩れてしまうというのは、(連敗中で)そういう流れがあるのかなと正直思いました」。それでも下を向くことなく最後まで諦めない姿勢を貫き、全員の力を束ねて暗い雰囲気を一掃。久々のお立ち台では割れんばかりの大歓声の中「お久しぶりです!」と大絶叫し、「毎日ピッチャーが粘り強いピッチングをしている中で、なかなか勝ちをつけることができなかった。今日は野手が粘り勝ったんじゃないかなと思います」と勝利を噛み締めた。
連敗中は心ないヤジが飛び交うこともあったが「それだけ期待してくださっているからなので、そこは申し訳ない気持ち。こうして勝ちで恩返ししていきたいと思います」と前を向いた背番号2。夏の風物詩イベント『YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2023』で再浮上のキッカケを掴んだチームの4番は、次の場面でも必ず勝利に導く一打を放つ。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
(8日・横浜)
DeNAは4番・牧秀悟内野手が同点打と決勝打を放ち、4点差をひっくり返して中日に逆転勝ち。本拠地・ハマスタでは7月6日のヤクルト戦以来となる白星を挙げ、再び3位に浮上した。
ここぞの場面でチームを勢いづけられるのは、やはり牧だった。快音を残した打球が右中間を破ると、しばらく鳴り止まない歓声と拍手が背番号2に注がれた。4−4の同点で迎えた7回一死一塁。フルカウントから外角高め142キロの直球を鮮やかに流し打ちし、決勝のタイムリー二塁打。「追い込まれていましたが必死に食らいついて、がむしゃらにいきました」。二塁に到達すると両手を叩いて喜びをあらわにし、自軍ベンチに向かって何度も左拳を突き上げた。
反撃の口火を切ったのも、試合を振り出しに戻したのも牧だった。4点を追う3回、先頭で迎えた第2打席は「しっかり出るつもりで、出塁することだけを考えていました」とフルカウントから3度ファウルで粘って9球目で四球を選び、続くソトの7号2ランをお膳立て。大田にも2号ソロが飛び出して1点差に迫ると、5回二死一塁では風を味方につけ同点の右越え適時三塁打を放つなど、2安打2打点と躍動。「同点打もそうですし、いい感覚で打てたので続けていけたら」と4番の仕事を全うした。
トンネルを抜けた先には、久々に味わう歓喜の瞬間が待っていた。この日の試合前までチームは1日の広島戦(マツダスタジアム)で勝利を挙げて以来、白星から遠ざかっていた。前カードの対阪神戦では3タテを食らい、ハマスタ8連敗で4位転落。最大12あった貯金だけでなく、自力優勝の可能性も消滅し、「自分が入団してから今までにないくらい暗いというか、ベイスターズらしくない雰囲気だった」と悪い流れを払拭できずにいた。この日も先発したエース・今永が初回にまさかの4失点といきなり出鼻をくじかれ「今永さんでもああいう風に崩れてしまうというのは、(連敗中で)そういう流れがあるのかなと正直思いました」。それでも下を向くことなく最後まで諦めない姿勢を貫き、全員の力を束ねて暗い雰囲気を一掃。久々のお立ち台では割れんばかりの大歓声の中「お久しぶりです!」と大絶叫し、「毎日ピッチャーが粘り強いピッチングをしている中で、なかなか勝ちをつけることができなかった。今日は野手が粘り勝ったんじゃないかなと思います」と勝利を噛み締めた。
連敗中は心ないヤジが飛び交うこともあったが「それだけ期待してくださっているからなので、そこは申し訳ない気持ち。こうして勝ちで恩返ししていきたいと思います」と前を向いた背番号2。夏の風物詩イベント『YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2023』で再浮上のキッカケを掴んだチームの4番は、次の場面でも必ず勝利に導く一打を放つ。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)