「去年よりいい状態で戻ってきたいというのがあるので、去年より一段階、二段階上にいけるように今はイチから作り直しているというか、いいものは消さず、新しいものに取り組んでいるという感じですね」。
ロッテの佐藤奨真は、試行錯誤している。今季はここまで一軍登板が1度もなく、ファームでも17試合・61イニングを投げて、1勝8敗、防御率4.87だ。
昨年開幕前の3月22日に支配下選手登録されると、3月31日のソフトバンク戦でプロ初登板を果たし、6月12日のDeNA戦でプロ初勝利、11試合・52回1/3を投げて、2勝6敗、防御率4.64という成績だった。
先発ローテーション入りに期待がかかった今季は、実戦初登板となった2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合で、2回無失点。左打者を見逃し三振に仕留めた外角のストレートは、昨季から比べてかなり強くなった印象を受けた。
「自分の中ではあの時からおかしいなというのはありました。ボール自体は強くなっているかもしれないですけど、フォームがちょっと打ちやすかったりしていると思っていたので、何かが違うのかというのは薄々感じていました」。
続く2月18日の楽天との練習試合では2回を投げ7失点とアピールできず、この登板を最後に一軍登板がない。佐藤の“あの時からおかしいというのはありました”と話したように、ファームでも本来の力を発揮することができず、開幕から自身8連敗を喫した。
「中継ぎは毎日ベンチに入っていつ投げるかわからない状況で、準備とかも常にしなければいけない。色々学ぶところも多いので勉強になります」と、7月は登板した5試合全てリリーフでのマウンドだった。
そして、6月13日の西武二軍戦以来となる先発となった8月9日の日本ハム二軍戦で、5回を1失点に抑え、ファームで今季初勝利を手にした。
今季の佐藤は、カットボール、カーブと共に投球を支える球種のひとつになっていたチェンジアップをあまり投げていない。「そうですね。チェンジアップよりフォークを練習していて、フォークの方が多いですね」。
フォークが多い理由について佐藤は「チェンジアップだと、どんどん体が横回転になると言われて、そこでコーチと話をしてフォークの方がまっすぐに影響が出ないんじゃないかと言われました。自分でも考えてフォークを取り組んでいるところです」と明かした。
またカットボールも球速が130キロ台前半ではなく、120キロ台が多い。「調子が悪い時はだいたいそんな感じになっちゃうので、今そんなによくない状態。基本まっすぐに強さがないので、カットボールに影響しているのかなと思います。そこが戻ってくれば」。
ただ、6月13日の西武二軍戦で、0-0の初回一死走者なしで蛭間拓哉に2ボール2ストライクから5球目のカーブでファウルにし、続く6球目の外角ストレートで見逃し三振に仕留めるなど、緩急を使った投球は良い。
「カーブ自体も去年より曲がりが弱かったり、全体的に去年より良くはない。どこが悪いのか探しながら自分でも取り組んでいます。カーブはなくせないので、使い方とかを今勉強中というか、調子が悪い時でも抑えられるように組み立てを色々やっている段階ですね」。
プレートを踏む位置も、色々と試す。21年4月23日の二軍戦から「チェンジアップをしっかり投げるようになってから、三塁側に踏んだ方がいい変化になるなというのを思って、そこから今年(21年)はずっと三塁側を踏んでいました」と一塁側プレートから三塁側プレートに変更して投げていたが、22年は再び一塁側のプレートを踏んで投げていた。
今季も開幕から一塁側のプレートを踏んで投げていたが、7月11日のヤクルト二軍戦から三塁側プレートに戻した。「色々真ん中に入ったり。色々探りながらというところですね。真っ直ぐとコンビネーションとかも考えながらやっています」。現在はどちらのプレートを踏んだらいいか、探しながら投げている。
リーグ優勝を争いする中で、一軍は現在先発投手陣が手薄。「まず自分の立場的には二軍でしっかり先発として回れるように、戻れるようにというところなので、もう1回一から1年目と同じような気持ちで取り組んでいます」。9日の二軍戦今季初勝利をきっかけに自身の状態を上げて、一軍のマウンドに戻りたい。
取材・文=岩下雄太
ロッテの佐藤奨真は、試行錯誤している。今季はここまで一軍登板が1度もなく、ファームでも17試合・61イニングを投げて、1勝8敗、防御率4.87だ。
昨年開幕前の3月22日に支配下選手登録されると、3月31日のソフトバンク戦でプロ初登板を果たし、6月12日のDeNA戦でプロ初勝利、11試合・52回1/3を投げて、2勝6敗、防御率4.64という成績だった。
先発ローテーション入りに期待がかかった今季は、実戦初登板となった2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合で、2回無失点。左打者を見逃し三振に仕留めた外角のストレートは、昨季から比べてかなり強くなった印象を受けた。
「自分の中ではあの時からおかしいなというのはありました。ボール自体は強くなっているかもしれないですけど、フォームがちょっと打ちやすかったりしていると思っていたので、何かが違うのかというのは薄々感じていました」。
続く2月18日の楽天との練習試合では2回を投げ7失点とアピールできず、この登板を最後に一軍登板がない。佐藤の“あの時からおかしいというのはありました”と話したように、ファームでも本来の力を発揮することができず、開幕から自身8連敗を喫した。
「中継ぎは毎日ベンチに入っていつ投げるかわからない状況で、準備とかも常にしなければいけない。色々学ぶところも多いので勉強になります」と、7月は登板した5試合全てリリーフでのマウンドだった。
そして、6月13日の西武二軍戦以来となる先発となった8月9日の日本ハム二軍戦で、5回を1失点に抑え、ファームで今季初勝利を手にした。
変化球も試行錯誤
今季の佐藤は、カットボール、カーブと共に投球を支える球種のひとつになっていたチェンジアップをあまり投げていない。「そうですね。チェンジアップよりフォークを練習していて、フォークの方が多いですね」。
フォークが多い理由について佐藤は「チェンジアップだと、どんどん体が横回転になると言われて、そこでコーチと話をしてフォークの方がまっすぐに影響が出ないんじゃないかと言われました。自分でも考えてフォークを取り組んでいるところです」と明かした。
またカットボールも球速が130キロ台前半ではなく、120キロ台が多い。「調子が悪い時はだいたいそんな感じになっちゃうので、今そんなによくない状態。基本まっすぐに強さがないので、カットボールに影響しているのかなと思います。そこが戻ってくれば」。
ただ、6月13日の西武二軍戦で、0-0の初回一死走者なしで蛭間拓哉に2ボール2ストライクから5球目のカーブでファウルにし、続く6球目の外角ストレートで見逃し三振に仕留めるなど、緩急を使った投球は良い。
「カーブ自体も去年より曲がりが弱かったり、全体的に去年より良くはない。どこが悪いのか探しながら自分でも取り組んでいます。カーブはなくせないので、使い方とかを今勉強中というか、調子が悪い時でも抑えられるように組み立てを色々やっている段階ですね」。
プレートの位置も変更
プレートを踏む位置も、色々と試す。21年4月23日の二軍戦から「チェンジアップをしっかり投げるようになってから、三塁側に踏んだ方がいい変化になるなというのを思って、そこから今年(21年)はずっと三塁側を踏んでいました」と一塁側プレートから三塁側プレートに変更して投げていたが、22年は再び一塁側のプレートを踏んで投げていた。
今季も開幕から一塁側のプレートを踏んで投げていたが、7月11日のヤクルト二軍戦から三塁側プレートに戻した。「色々真ん中に入ったり。色々探りながらというところですね。真っ直ぐとコンビネーションとかも考えながらやっています」。現在はどちらのプレートを踏んだらいいか、探しながら投げている。
リーグ優勝を争いする中で、一軍は現在先発投手陣が手薄。「まず自分の立場的には二軍でしっかり先発として回れるように、戻れるようにというところなので、もう1回一から1年目と同じような気持ちで取り組んでいます」。9日の二軍戦今季初勝利をきっかけに自身の状態を上げて、一軍のマウンドに戻りたい。
取材・文=岩下雄太