今季勝ち星ゼロの濵口が2年ぶりの完投勝利!
強いベイスターズが帰ってきた。打線が先制し、先発投手に勝ち星がつく。安定した戦いぶりで、中日を相手にホームで3連勝を飾った。
先発は今季6戦未勝利と苦しい戦いを強いられている濵口遥大。この日も初回に四球で走者を出しながら無失点で切り抜けると、2回も連打で無死一・二塁とピンチを迎えながら、石橋康太のバントを三塁でアウトにする好フィールディングもあり、相手に得点を与えない。
すると打線は直後の攻撃で、無死一・三塁から京田陽太の適時内野安打で先制に成功。さらにルーキーの林琢真に2点適時打が飛び出し、左腕に3点の援護点をプレゼントした。
濵口は5回に1点を失ったが、直後の攻撃で自ら右中間への二塁打でチャンスを作ると、一死満塁から牧秀悟がライトに2点適時打。リードを4点に広げる。
再び援護をもらった左腕は同級生・京田の好守にも支えられながら、6回以降もテンポの良い投球を展開。9回・111球の1失点で、約2年ぶりとなる完投勝利を挙げた。
指揮官も満足気「自信にしてほしい」
三浦大輔監督も濵口の投球については「自分でリズムを作りながら、フォームも工夫しながらゾーンでどんどん勝負ができていた」と投球内容を賞賛。
完投に関しては「打順も回らなかったですし、ボールを見ていても相手は合っていなかったので最後まで行かせました」と説明。「本人も行くつもりだったと思います」とし、9回のマウンドを託したという。
続けて「前回は立ち上がりで取られましたけど、尻上がりに良くなっていた。その中で今日にかける思いもあって、強い気持ちを持って臨んで結果を出すことができた。自信にしてほしいし、これから残り40数試合ある中で、濵口が今日みたいなピッチングを続けてくれればチームにとっても大きな存在になると思います」と語り、今後のさらなる奮起にも期待を寄せた。
左腕を援護した打線には「先に点を取れたことが大きかったですし、1点で終わらずに2点取れたのも大きかった」と2回の先制パンチを振り返りながら、8番で起用した林の活躍ぶりを強調する。
打順を入れ替えて臨んだことについては「今日は宮﨑(敏郎)をスタメンから外す予定だった。大田泰示も状態が良いですし、2番に入ることによってスタイルは変えなくていいという話をしましたし、関根(大気)にしても3番だからというわけでなく、自分のできることを全力でやってくれという話をしました」とのこと。
あくまでも“いつも通り”を強調しながら、「選手たちは打席で自分の役割を果たしてくれました」と目を細めた。
活発になってきた打線と苦しんでいた左腕の復活。そこに堅い守備もついてきた大きな一勝により、大きな同一カード3連勝を達成した。
指揮官も「やってきたことを繋げて、できることを全力でやっていきます」と宣言。次戦に向けて気を引き締めながら、その目の輝きは増していた。
取材・文=萩原孝弘