ミスが重なった7回に逆転を許す
巨人は10日、本拠地での阪神戦に2-5で敗れてこのカード3連敗。この日は勝ち頭の戸郷翔征を立てて3タテ阻止を期したが、終盤のミスが流れを大きく左右した。
1-0とリードして迎えた7回表、先頭のシェルドン・ノイジーに二塁打で出塁を許すと、代走・島田海吏を二塁に置いた状態で梅野隆太郎は高いバウンドの投ゴロ。打球を処理した戸郷は三塁にボールを送ったが、送球が少し逸れてオールセーフ。野選でピンチを拡げてしまう。
するとその直後、木浪聖也に対して1ボール・1ストライクから3球目を投じる前に、速いモーションで一塁にけん制。ところが、これに一塁手の中田翔が反応できず、ボールが転々とする間に三塁から島田が生還。1-1と同点に追いつかれ、この後に二死一塁から近本光司に痛恨の被弾。1-3と試合をひっくり返されてしまった。
10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣も「守備のミス」をポイントに挙げ、斎藤雅樹氏は「あのフィルダースチョイスは本人もすごく悔やんでいましたね。良いところに投げていればアウトでしたが、少し逸れた分セーフになってしまった」とコメント。
この場面については1-0と最少失点を守ってきていたところもあり、「1点もやれないという思いがあって、サードには絶対に進ませないぞと。そういった部分もミスにつながってしまったかなと」と僅差の状況が焦りに繋がってしまったのではないかと分析した。
また、坂口智隆氏は「もったいなかった」と2つのプレーを振り返り、「戸郷投手であれば、どちらも焦って投げる必要はない場面ではないかなと思う」という。
まずは野選となった梅野の投ゴロのシーンについて、「高いバウンドになって、二塁走者は俊足の島田選手なのですぐに投げたいという気持ちも分かるんですが、ここは(一塁で)ひとつアウトを取った方が良かったんじゃないかなと」とし、この日のボールも含めてピンチを背負っても無理せずアウトを増やしていく方が良かったのではないかと解説。
つづけて、失点につながった牽制球に関しても「リードも大きくなかったですし、本当に必要だったのかなと。慌てて投げることなかったんじゃないかなと思う」と述べた。
この同一カード3連敗により、今季の成績は49勝50敗1分となって勝率が5割を下回った。
もう一度上位に食らいついていくためにも、嫌な流れはなるべく早く食い止めたいところ。11日からは3連勝と勢いに乗った状態でDeNAが乗り込んでくるが、3位・4位の直接対決にもなるだけに、初戦から負けられない戦いとなる。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』