現在35登板
ロッテの坂本光士郎はファームに落ちた時期もあったが、開幕から貴重な左の中継ぎとしてここまで、シーズン自己最多登板にあと1試合に迫る35試合、キャリアハイの11ホールド、防御率3.74の成績を残す。
毎年“50試合登板”を目標に掲げているが、今季は「いいペースできているのかなと思います」と話しながらも、「いい時と悪い時の差が激しすぎる。ここから大事な試合ばかりになってくるので、そういう差を埋めていけたらなと思います」と反省した。
確かに7月22日のソフトバンク戦では強いストレートを武器に1イニングをわずか4球で三者凡退に仕留めたが、8月9日のオリックス戦では0回1/3を投げ4失点。8月15日の日本ハム戦は1回・9球を3人で片付けており、坂本本人が話すようにいい時と、悪い時がある。
オープン戦の取材から何度も口にしてきた上半身と下半身の連動がうまくいっていない時が悪い時なのだろうかーー。
「そこは常にずっとやっているんですけど、甘く入ってしまったり、もうちょっと視野を広くと言いますか、しっかりバッターを見たりできればなと思います」。
ストレートがかなり強い時は抑え込めている。「ストレートだけでどんどん押していける時はすごくいいのかなと感じます」と、7月22日のソフトバンク戦では、栗原陵矢を初球の151キロのストレートで三飛、続く生海を1ストライクから2球目の149キロストレートで右飛、最後は今宮健太を初球の151キロのストレートで右飛、オールストレートで抑え込んだ。
「ストレートが強い時は確かに抑えている確率は高いかなと思いますし、ダメな時にどう抑えていかなければいけないのか考えていかないといけない」。その差を埋めるために、試行錯誤している。
様々な場面で登板
開幕から勝ち試合、ビハインド、同点など様々な場面で登板している。「なんとなく自分かなと思いながら体を動かしているので、いろんな場面で出ていくことが多いですけど、そこは別にいつもと変わらない感じで投げています」と、試合状況を読みながら準備しており、登板状況が勝ち試合、ビハインドでもやることは変わらない。
今季は1度だけ1週間に4登板以上(6月5日〜の週)があったが、基本的には1週間3登板、3連投は一度もなく、リリーフ陣の登板管理がしっかりされている。坂本は「大体2連投したら3連投はないので、そこは2連投したらリカバリーの日にしたりしています。3連投がないので体の負担も少ないのかなと思います」と、リリーフ陣には調整がしやすい環境になっている。
首位・オリックスと6ゲーム差の2位のロッテ。リーグ優勝に向けて、負けられない戦いが続く。「少しでもチームの力になれるように。試合で投げられればなと思います」。優勝争いしている中で、目標である50試合登板を達成、そしていい時の投球を継続してほしいところだ。
取材・文=岩下雄太