打撃復調気配
ロッテの茶谷健太は打席に立った試合は7月11日のオリックス戦から7試合連続安打中と、与えられたチャンスで結果を残している。
『7番・一塁』でスタメン出場した17日の日本ハム戦では、0-0の2回二死一塁の第1打席、2球で追い込まれたが、先発・根本悠楓が投じた3球目のストレートをピッチャー強襲の内野安打。続く0-2の4回二死走者なしの第2打席も、四球を選んだ。
打席に立つ機会が少ない中で、結果を残し続けられている要因に茶谷は「本当に今日がラストチャンスだと思ってやっています」と、この試合が最後という気持ちで臨んでいる。「全く打てなかった時期があったんですけど、一軍に置いておいてもらったので、なんとか結果で、少しでもチームの力になれるようにと思ってやっています」。5月は月間打率.350(40-14)をマークしたが、6月は月間打率.100(30-3)と落ち込んだ。それでも調子を取り戻し、8月は「一時期よりかは良くなってきているのかなと思っています」と、ここまで月間打率.417(12-5)と復調気配だ。
「自分が練習でやっている当たりが出せているのかなと思います」と、打撃の状態が悪くなった時に体が開き気味になる傾向を自身で理解し、それを克服するために安打が出なかった昨年8月、打撃練習でセンター方向を意識したことで、9月の復調に繋げたが、今季もその調整方法を継続。少ない打席機会の中で調子を上げるのは難しいことではあるが、再び状態を上げてきた。
試合前練習で内野全ポジションで練習する日も
茶谷は今季プロ入り後初めて開幕一軍を掴み、状態を落とした時期もありながら、なんとかここまでファームに1度も落ちることなく、一軍で戦えている要因のひとつに複数のポジションを守れることが挙げられる。
ここまで一塁で41試合、二塁で6試合、三塁で8試合、遊撃で7試合と、内野の全ポジションで出場する。春先の試合前の練習では、二塁と一塁、三塁と遊撃、二塁と遊撃、遊撃と一塁など、2つのポジションでノックを受けることが多かったが、ここ最近は「どこで出るかわからない。毎日ポジションが変わったりするので、そのための準備です」とファーストミット、内野手用のグローブを持って内野全ポジションでノックを受ける日もある。
ノックを受ける時には「とにかく足を使って捕りにいく。足を使っていくイメージです」と話し、「ショートが(投げる距離が)一番遠いので、ショートは絶対にどんだけ時間がなくても、ファーストへ強いボールを送球することを意識してやっています」とテーマを持って守備練習を行う。日々の積み重ねの成果だろうか、ここまでの失策は一塁での2つのみだ。
「どこで出るかわからないですし、スタメンで出させていただく機会があると思うので、そこで少しでもチームの力になれるようにやっていきたいと思います」。8月は打撃好調で、内野を全ポジション守れる強みを活かし、出場機会を増やしていきたい。
取材・文=岩下雄太