第105回全国高等学校野球選手権記念大会
仙台育英(宮城) 2 - 8 慶応(神奈川)<8月23日 甲子園>
8月6日に開幕した夏の甲子園は23日に決勝戦が行われ、慶応(神奈川)が仙台育英(宮城)に8-2で勝利。慶応普通部として初出場した1916年の第2回大会以来となる107年ぶりの優勝を果たした。
プレイボール直後から三塁側アルプススタンドを中心とする大声援の後押しを受けた慶応は、不動の1番・丸田湊斗が相手先発・湯田統真の5球目の変化球をライトスタンドに叩き込む先頭打者アーチ。いきなり王者に先制パンチを浴びせる。
さらに立ち上がりの湯田を攻めて二死ながら一・二塁とすると、6番・渡辺千之亮の高々と舞い上がった打球は風に流されて内野と外野の間にポトリ。この間に二塁から走者が還り、適時内野安打となって1点を加えた。
勢いの止まらない慶応は3回にも先頭の四球と犠打で一死二塁のチャンスを作り、トップに返って丸田が詰まりながらもライト前に落とす適時打。3-0とリードを拡大していく。
守っては先発した2年生左腕の鈴木佳門が援護に守られながら力投。2回と3回に1点を返されるもリードを死守すると、5回表に味方打線が猛攻。二死一塁から福井直睦の適時二塁打を皮切りに、相手のミスにもつけこんで一挙5得点。8-2と一気に突き放した。
5回裏からは準決勝の土浦日大戦で完封勝利を挙げた背番号1の小宅雅己がマウンドへ。ノビのある直球と抜群の制球力でテンポよく強打の仙台育英打線を封じ込めていく。
8回裏は二死から初の連打で一・三塁のピンチを招いたが、後続を切って無失点。9回裏も得点圏に走者を背負いながら無失点でしのぎ、中盤までに稼いだリードを守りぬいた。
春のセンバツで敗れた仙台育英にリベンジを果たした慶応は、ライバルの2連覇を阻止して107年ぶりとなる夏の甲子園優勝を達成。“エンジョイベースボール”が結実し、悲願の全国制覇を果たした。