【夏季オープン戦】
国学院大 4 - 4 ソフトバンク3軍
(25日・国学院大グラウンド)
今秋のドラフト候補で、侍ジャパン大学代表にも選出された国学院大のエース左腕・武内夏暉投手(4年・八幡南)が25日、ソフトバンク3軍とのオープン戦に先発。自己最速を1キロ上回る152キロを計測するなど、3回無失点7奪三振の快投を見せた。
2回まで無安打投球を披露。3回は先頭打者にこの日初めて安打を許したが、自らのけん制でランナーを刺し、後続を2者連続空振り三振斬り。二塁を踏ませない完璧な投球で予定の3イニングを投げ終え、相手打線をわずか1安打に封じた。
福岡・北九州市出身の左腕は、幼少期からソフトバンクファン。憧れの選手には「和田毅投手です」と日米通算161勝を誇る同じ左投手の名を挙げ、野球を始めた小学3年時から大学入学で上京するまでの10年間、ソフトバンクのファンクラブ「クラブホークス」に入会していた生粋の鷹党だ。この日は志願の先発登板で、ソフトバンク3軍を相手に圧巻の投球を披露。「3イニングの予定だったので、一人一人丁寧に抑えようと思ってマウンドに上がりました。結果を残すことができて良かったです」と安堵の笑みを浮かべた。
自らの成長を証明した57球だった。今春のリーグ戦では9登板で2勝3敗、防御率2.88。「春は球威もあったが、相手のバッターに嫌だなというイメージを植え付けることができなかった」と課題が残るシーズンだったが、7月に米国で開催された日米大学野球選手権大会で飛躍のきっかけを掴んだ。国際大会仕様のボールは国内メーカーに比べて滑りやすいと言われており、武内自身もボールが滑る感覚があったが「対策として指先ではなく体全体で投げることを意識したことで、シンプルに無駄のないフォームで投げられるようになった。フォームから投げ急ぎがないように、リズム良く投げることを意識したことで、真っすぐの球威が増してきた」。これまでは力に頼りすぎていた部分もあったが、力感のない投げ方を追究したことで直球の威力は増し、この日は自己最速を1キロ更新する152キロをマーク。プロ相手に3イニングで7つの三振を奪い、「取ろうと思ってはないですけど、球威が増して思ったより空振りだったり、三振が取れるようになってきた」と好感触を得た。
また、2大会連続20回目の優勝に大きく貢献した同大会ではメジャー予備軍のバッターと対戦し、メンタル面でも成長。「日本とは違った雰囲気で投げることで刺激も受けましたし、自信もつきました。打たれそうと思うのではなく、抑えられそうだなと、強気の投球ができている」と胸を張った。
大学野球の集大成となるシーズン開幕まで、残り1週間と迫った。「優勝するために、まずは1戦目落とせない。いい投手が多いので、投げ勝つためにも完投、完封を目指して頑張りたい」と背番号16。日の丸を背負った経験と誇りを胸に、実りの秋を迎える。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
国学院大 4 - 4 ソフトバンク3軍
(25日・国学院大グラウンド)
今秋のドラフト候補で、侍ジャパン大学代表にも選出された国学院大のエース左腕・武内夏暉投手(4年・八幡南)が25日、ソフトバンク3軍とのオープン戦に先発。自己最速を1キロ上回る152キロを計測するなど、3回無失点7奪三振の快投を見せた。
2回まで無安打投球を披露。3回は先頭打者にこの日初めて安打を許したが、自らのけん制でランナーを刺し、後続を2者連続空振り三振斬り。二塁を踏ませない完璧な投球で予定の3イニングを投げ終え、相手打線をわずか1安打に封じた。
福岡・北九州市出身の左腕は、幼少期からソフトバンクファン。憧れの選手には「和田毅投手です」と日米通算161勝を誇る同じ左投手の名を挙げ、野球を始めた小学3年時から大学入学で上京するまでの10年間、ソフトバンクのファンクラブ「クラブホークス」に入会していた生粋の鷹党だ。この日は志願の先発登板で、ソフトバンク3軍を相手に圧巻の投球を披露。「3イニングの予定だったので、一人一人丁寧に抑えようと思ってマウンドに上がりました。結果を残すことができて良かったです」と安堵の笑みを浮かべた。
自らの成長を証明した57球だった。今春のリーグ戦では9登板で2勝3敗、防御率2.88。「春は球威もあったが、相手のバッターに嫌だなというイメージを植え付けることができなかった」と課題が残るシーズンだったが、7月に米国で開催された日米大学野球選手権大会で飛躍のきっかけを掴んだ。国際大会仕様のボールは国内メーカーに比べて滑りやすいと言われており、武内自身もボールが滑る感覚があったが「対策として指先ではなく体全体で投げることを意識したことで、シンプルに無駄のないフォームで投げられるようになった。フォームから投げ急ぎがないように、リズム良く投げることを意識したことで、真っすぐの球威が増してきた」。これまでは力に頼りすぎていた部分もあったが、力感のない投げ方を追究したことで直球の威力は増し、この日は自己最速を1キロ更新する152キロをマーク。プロ相手に3イニングで7つの三振を奪い、「取ろうと思ってはないですけど、球威が増して思ったより空振りだったり、三振が取れるようになってきた」と好感触を得た。
また、2大会連続20回目の優勝に大きく貢献した同大会ではメジャー予備軍のバッターと対戦し、メンタル面でも成長。「日本とは違った雰囲気で投げることで刺激も受けましたし、自信もつきました。打たれそうと思うのではなく、抑えられそうだなと、強気の投球ができている」と胸を張った。
大学野球の集大成となるシーズン開幕まで、残り1週間と迫った。「優勝するために、まずは1戦目落とせない。いい投手が多いので、投げ勝つためにも完投、完封を目指して頑張りたい」と背番号16。日の丸を背負った経験と誇りを胸に、実りの秋を迎える。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)