「気分転換じゃないですけど…」

　DeNAは29日、阪神との試合に3－2で逆転勝利。9回に2本のホームランで試合をひっくり返し劇的な勝利となったが、先発・今永昇太の好投も光った試合だった。

　今永は初回、二死から連続の四球で一・二塁のピンチを招くも、5番・佐藤輝明を空三振に抑え切り抜ける。4回には、4番・大山悠輔にこの試合初ヒットを許したのをきっかけに二死満塁とされるも、8番・木浪聖也から空三振を奪いピンチを脱する。

　5回以降もランナーを背負う投球も要所を締め、阪神打線に得点を与えず。7回136球、3安打5奪三振、5四球の無失点という投球内容で勝ち星はつかなかったものの、逆転勝利を呼び込む粘投を披露した。

　8勝目とはならずも粘りの投球を披露した今永について、29日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の平松政次氏は「この試合は球が走ってましたね。左バッターはとてもじゃないですけど打てないくらいのボールのキレといい、走りといい、体の動きといい素晴らしい投球でしたね」と今永の投球を手放しで称賛。

　また同番組に出演した解説者の野村弘樹氏は、この試合ではいつもバッテリーを組んでいた戸柱恭孝ではなく、山本祐大がスタメンマスクだったことに触れ「捕手を変えてきたのは今永との呼吸を変えたかった意図もあったでしょうね。8月に入って今永は序盤に得点を取られることが多かったので、そう言った意味で気分転換じゃないですけど、配球も変わってくると思いますし、雰囲気も変わったと思います」と話し、

　続けて「初回は慎重になりすぎて球数が増えましたけど、ピンチを乗り越えたことでリズムが生まれたと思いますね」と初回を無失点で乗り切ったことが好投に繋がったと解説をした。

　8月は調子を落とし未勝利に終わった今永だが、この試合では首位の阪神打線を無失点に抑え復調の兆しを見せた。Aクラス死守へ、9月からのエースの完全復活に期待したいところだ。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』