東克樹-山本祐大のコンビで演じた快勝劇
勝ち頭・東克樹の好投を女房役がリードに加えてバットでもアシスト。クライマックスシリーズ出場権を争う3位・巨人相手に貴重なカード初戦を勝ち取った。
先発の東は2回、先頭の岡本和真に先制ソロを許したが、直後の攻撃で山本祐大が逆転2ラン。その後も3回に1点、4回に2点と援護を受け、5回までテンポよくアウトを積み重ねた。
6回に二死から長野久義に2ランを浴びて2点差に迫られたものの、7回を3失点にまとめてゲームメイクに成功。すると打線が7回裏に牧秀悟の2ランなどで4点を挙げ、終わってみれば9-3の大勝となった。
白星を挙げた東は自身の投球について「ストレートの走り、変化球も自分の意図したとおりに投げられていた。初回の先頭、浅野(翔吾)選手を抑えられたことで、自分自身勢いをつけることが出来たかなと思います」とコメント。
キャリアハイを更新する12勝目という数字に関しては、「嬉しいことではあるんですけれども、これで終わりではないので。反省を次に活かしていくことができるようにやっていきたい」とし、「初球を打たれたホームラン(岡本に浴びた一発)と、長野さんにはフルカウントになってからの1球。もっと違うやり方があったのではないか」と反省点を挙げて気を引き締めた。
また、最多勝を争う広島・床田寛樹に続き、同じくタイトル争いのライバルになる巨人・戸郷翔征に投げ勝ったことについては「自分の財産になる。緊張感のある中で投げられているということは価値があるかなと思います」と胸を張る。
前回も殊勲打を放った相棒・山本祐大には「今日のホームランも、このまま失速してレフトフライかなと思っていたらそのまま入ったのでビックリしすぎて笑っちゃいました」と満面の笑み。
この日は自力でお立ち台に登り、2人揃ってのヒーローインタビューとなったことにも「バッテリーなので、相棒同士なので、2人でお立ち台に上がれたことは非常に嬉しい。今後の糧にもなります」と喜んだ。
見守った三浦大輔監督も、この日の東の投球については「安定したストレートと、低めに集められた変化球。いつもの東でした」と振り返り、「カード頭を任せている中で、ずっと安定した投球を見せてくれている。相手のエースと対戦して勝ち切るということは、チームにとっても大きいですし、東も自信になると思います」と頼れる左腕の奮闘ぶりを称えた。
さらに山本の逆転弾にも「先制されたすぐ裏に、祐大が最高の形のホームラン。(相手を)乗せる前に攻撃できたのが良かった」とバッテリーの活躍に目を細める。
9月初戦にして大事な3位・4位の直接対決の初戦に快勝したことには「まず頭を取れたことは非常に大きいですし、東がしっかりとゲームを作って打線も点が取れた。非常に良い形で初戦を取れたと思います」と言葉に力を込めた指揮官。
まずは3位を固め、その上を狙っていく覚悟を感じさせた。
取材・文=萩原孝弘