「腕を振ることを今は意識」
「今年は全体的に去年より学んだこともありますが、いいピッチングが多いというわけではないですね」。
ロッテの高卒2年目・秋山正雲は、今季ここまでの投球をこのように振り返る。
ルーキーイヤーの昨季は4月30日の楽天二軍戦でデビューを飾ると、登板間隔をしっかりと空けてリリーフで投げていき、7月17日の楽天二軍戦でプロ初先発、8月11日の巨人二軍戦、9月27日のDeNA二軍戦では5イニングを投げるなど、ファームで15試合・34回2/3を投げ、4勝1敗1セーブ、防御率2.34。同年10月に行われたフェニックス・リーグでも先発で投げ、10月20日の四国IL選抜戦ではプロ入り後最長の6イニングを投げた。
2年目となる今季に向けては、「自主トレでは体幹を学ばせてもらったので体幹を意識していましたが、途中から細かいことではなく、まずは自分のボールを投げる、腕を振ることを今は意識してやっています」と体幹を意識しながら取り組んできたが、現在は自分の球を投げることに重きを置いている。
リリーフでストレート勝負
チーム今季初実戦となった2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合で開幕投手を務め、3回を2安打無失点、2月16日のDeNAとの練習試合にも登板し2回を投げ3失点だった。この登板以降はファームで過ごす。ファームでは開幕してから先発を務めてきたが、7月16日の西武二軍戦以降は9試合全てリリーフ登板。9試合・12回1/3を投げて、許した失点は3、8月10日の日本ハム二軍戦から現在4試合連続無失点中だ。
先発とリリーフの違いについて「まずは先発だったらその日に向けて調整という感じですけど、中継ぎだったらいつ投げるかわからないので、常に準備するというのが全然違うところですかね」と話す。
「今はストレートの強さを結構求めてやっています。中継ぎで短いイニング。自信があるのはストレートでもあるので、そのストレートで勝負している感じですかね」と、リリーフで投げるようになってからストレートが増えた。8月10日の日本ハム二軍戦は20球中12球、8月16日のDeNA二軍戦は15球中12球、8月18日の西武二軍戦は15球中11球、8月26日の日本ハム二軍戦は9球中6球がストレートだった。
ただ、「今はまだ(自分の思い描いたストレートは投げられていない)ですかね。もう1つ、もう2つ、もう3つ上ぐらいのボールを求めています。スピードももっとあげたいです」と現状のストレートに全く満足していない。
残り試合で「今はストレートで球速上げたり、出力をあげたりしたいので、自分のボールを投げる意識だけを持ってやっています」と秋山。理想とするストレートに一歩でも近づけて、シーズンを終えたいところだ。
取材・文=岩下雄太