プロ3年目で3度目の受賞
『大樹生命月間MVP賞』の8月度受賞選手が8日に発表され、セ・リーグ打者部門はDeNAの牧秀悟が受賞した。
牧は全26試合に「4番・二塁」で先発出場。リーグトップの打率.362に38安打、26打点、得点圏打率.550の活躍でチームを支えた。
14試合連続安打を含め、月間26試合のうち24試合で安打を放つという確実性に加え、月末の阪神戦では2試合連続で決勝弾を放つなど、ここ一番での勝負強さも光った。
会見では「本当に光栄な賞を取ることができて嬉しい」と素直に喜びを表現。
7月はチームも負け越し、自身も月間打率.259と沈んでいたところからの復調については「7月負けていた分、チーム全体で頑張ろうと」と気合いを入れ直して臨んだことを明かし、「最初からすごく良い形で、個人としてもチームとしてもすごく良い入り方ができた。チームで勝つぞと気持ちを入れたところで、自分もチャンスで打てるようになったのではないかなと思います」と振り返った。
なかでも印象に残る一打には、「阪神戦の右中間に打った打球。まさか入るとは思わなかったですし、ああいう打球が打てたことは自信になった」と8月30日の甲子園で同点の6回に放った右中間への勝ち越し弾を挙げる。
不動の位置となりつつある“4番”についても、「前を打つバッター、後ろを打つバッターが本当にすごいので、自分は自分のやるべきことをやっているだけ」としながら、「いちばん大事なところ、チャンスの場面で回ってきますし、4番がしっかりしないといけないということは去年すごく経験できたので、今年はその経験を活かして、強い気持ちで打っています」とメンタル面の充実を口にした。
プロ3年目の今季はすでに本塁打と打点で過去2年を上回っているが、本人は「打点にはすごくこだわっていて、今年はじまる前から打点王にはこだわっている」と特に意識している成績について明かし、「まずはチームが勝つことが大前提ですが、そのためにも打点は非常に大事になってくる。そこは負けたくないなと思います」と決意表明。
最終盤に向けて、「シーズンはまだ続くので、またひとつずつ重ねていきたいなと思います」と改めて意気込みを述べた。
ペナントレースも佳境を迎えているが、「まだ諦めていない」と言い切る25歳。「これからの試合を全部勝つつもりでやっていきたいと思います」と続け、上だけを見据えている。
またひとつ手にした栄誉を追い風に、ハマの背番号2はきょうも打線を牽引していく。
取材・文=萩原孝弘