【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 明大　3 － 0　東大 ●
（9日・神宮）

　明大は開幕戦を白星で飾り、リーグ4連覇へ向けて好スタート。「2番・中堅」でスタメン出場した直井宏路外野手（3年・桐光学園）がリーグ戦初本塁打となる決勝2ランを放ち、チームを勝利に導いた。

　久しぶりの感触が、バットを持つ両手に広がった。3回一死一塁で迎えた第2打席。相手先発・松岡の初球、高めに甘く入った直球を完璧に仕留めた。「真っすぐを張っていて、そこで決めることができた」。快音を響かせた打球は右翼席中段に着弾。一塁ベースを回ったところでスタンドインを確認すると、高校通算3本塁打の直井はスタンドを思わず二度見。記念すべきリーグ戦初アーチが、試合を決める決勝弾となり「自分はホームランバッターではないので少し上がりすぎたかなと思いましたが、入ってくれたので良かったです」と驚きの表情でダイヤモンドを一周した。

　2番起用に一発回答を見せた。今春のリーグ戦は全12試合に出場。12安打4打点で打率3割をマークしたが「スイングの遅さが課題だった」と夏場はスイングスピード向上を図り、素振りの練習量を増やした。日々の努力が実を結び、この日は「2番・中堅」でスタメンに抜擢されると、開幕戦でいきなりリーグ第1号本塁打を放つなど存在感を発揮。起用に応える一打に、田中武宏監督も「直井は上位を打たないといけないような選手」とさらなる活躍に期待を寄せた。

チームに開幕戦白星をもたらした直井だが、「自分はチャンスを決めるバッターではなく、作るバッター。そこは変わらず、しっかり次につなぐこと、出塁を意識していきたい」と慢心はない。リーグ4連覇へ向けて、直井の活躍は大きな伸びしろになるはずだ。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）