2023.09.10 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 6 | 終了 | 4 | 東京ヤクルトスワローズ |
横浜 |
日曜の連敗もストップ
濱口遥大が意地を見せた。今シーズンここまでわずか2勝と苦しんでいた左腕が投打で躍動し、負けられない一戦を制した。
前回2回4失点KOと期待を裏切った濱口遥大に先発を託したDeNA。課題の初回にホセ・オスナにソロホームランを被弾し暗雲が立ち込めたが、2回と3回に続けて併殺打で切る抜ける我慢の投球を披露した。
4回に味方が同点に追いつくと、5回には1アウトで打席に立った濱口は、基本に忠実なピッチャー返しがヤクルト先発の山野太一の左足を直撃する内野安打で出塁。治療を経て再びマウンドへ戻った山野だったが、その影響からかコントロールを乱し連続四球で満塁となると、佐野恵太、牧秀悟、宮﨑敏郎の自慢のクリーンアップが三連打でこの回一挙5点の猛攻で一気に流れを掴んだ。
気を良くした濱口はこのあと危なげないピッチングで、昨日13点を挙げたヤクルト打線を寄せ付けず7回1/3、111球の熱投でゲームを作り、今シーズン3勝目を手にした。終盤にバタつきはしたがCS争いの最中、カード勝ち越し決める一戦をものにし、7月16日から続いていた日曜日の連敗も止めることに成功した。
お立ち台に上った濱口は「とにかく前回悔しい思いをしてたので、悔いのないようにストライクゾーンに思い切って自分の球をどんどん投げていこうというふうに今日はできました」と自己評価。また「野手の皆さんはじめキャッチャーの山本祐大が一生懸命僕のいいボールを引き出してくれたので、どんどんどんどん自分のテンポも良くなっていって、本当に守りからつながった試合だったかなと思います」と女房役にも敬意を払った。
指揮官も笑顔
試合後三浦監督は濱口に「立ち上がりホームラン1本ありましたけど、しっかりとストライク先行で、前回のようにフォアボールで崩れることなく、テンポも良かったですね」と中6日で修正してきたことを評価。
また5回の守りでは「5回先頭ツーベースでノーアウト2塁。同点のあそこで踏ん張った」と濱口の投球と「佐野もよく捕りましたし」と、塩見泰隆のレフトへの打球をフェンスギリギリでジャンピングキャッチした2人を称えた。そのうえで「ベンチもグッとさあ行くぞとう形で、5回に裏の攻撃に繋がったと思います。あのイニング一気に流れを作った中で、フォアボールも挟みながら良い攻撃ができたと思いますし、もう1点もう1点という場面が作れて、宮﨑も代わったばかりのピッチャーからしっかりと還してくれた」と流れを掴んだプレーだったと振り返った。
またそのビッグイニングの起点となった濱口のヒットには「キャンプのときからピッチャーが打席入ったら、一打者として打てなくてもなんとかしよう」と意識付けをしていたとし「、自分を助けますし、ピッチャーがヒットを打つとチームも盛り上がりますからね」と投手の連続安打ギネス記録を持つ三浦監督の経験からの指導も功を奏しているようだ。
日曜日に勝てたことにも「たくさんのファンの方に球場に来ていただいて、勝ててよかったです」と笑顔を見せた指揮官。いい勝ち方を続け、可能性がある限り上を向いて戦っていく。
写真・取材・文 / 萩原孝弘