中日投手陣を攻略できず…
本拠地・横浜スタジアムに戻り、勝ち星を積み上げたいDeNAだったが、中日投手陣の前に打線が沈黙。カード初戦に痛い完敗を喫してしまった。
約1カ月ぶりの先発となった大貫晋一は、初回から低めを丁寧につくピッチングを展開。中日打線を相手にゴロの山を築く持ち味通りの好投を見せるが、中日先発・涌井秀章はそれを上回る4回パーフェクト投球と、お互い譲らぬ投手戦となる。
ゲームに動きが見えたのは5回裏。宮﨑敏郎が初安打をセンターに運ぶと、大和も続いて一死一・二塁と初のチャンスを迎えたが、後続が倒れて無得点。知野直人のレフトへの飛球が惜しくもランニングキャッチで阻まれると、直後の6回表に大貫が二死一塁から竜の4番・石川昂弥に左中間スタンドに叩き込まれ、相手に均衡を破られた。
終盤も7回は山﨑康晃、8回は伊勢大夢がゼロで踏ん張ったが、打線は8回に代打・藤田一也が執念のヘッドスライディングで内野安打をもぎ取る執念を見せるも得点には結びつかず。9回は上茶谷大河がダヤン・ビシエドに一発を浴びて0-3とリードを拡大された。
9回裏は難攻不落のライデル・マルティネスに対して佐野恵太が適時打を放って1点を返すも、反撃もここまで。逆転を信じて声援を送ったベイスターズファンからは大きなため息が漏れた。
「明日に繋げていかなくてはならない」
試合後、三浦大輔監督は相手の涌井について「良かったと思います。良かったなかでも何とかしないといけないところで……チャンスらしいチャンスもあの回(4回)ぐらいしかなかったかなと。丁寧に投げられたという感じですね」と言葉を絞り出した。
大貫に対しても「良かったと思います。ボールの走りも良かったですし、丁寧に丁寧に投げていましたから」と評価しながらも、「粘られて粘られて2アウトまで来ただけにね。本人もそこは一番悔しいところだと思います」と決勝弾となった1級を悔やんだ。
しびれる投手戦に「1点ビハインドでもヤス(山﨑康晃)に行ってもらって、三者凡退でやってくれました。伊勢もそうです」と後を継いで無失点に切り抜けた両投手を労い、さらに失点はしてしまったが「上茶谷もいろいろな場面で投げてくれていますからね」と責めることはなかった。
大切な7連戦の初戦を終えて「勝てなかったですけれども、8回に藤田が執念見せてくれましたし、9回もなんとかという気持ちで最後までくらいつけた」とファイティングポーズは崩さなかった三浦ベイスターズ。
最後に発した「明日に繋げていかなくてはならないと思います」との言葉を、具現化しなければ上は見えない。
取材・文=萩原孝弘