「本当に今日は見事なピッチング」
阪神が巨人に1-0のロースコア戦を制し、伝統の一戦の初戦をモノにした。
阪神は2回に巨人先発の山崎伊織を攻め、一死一・二塁から“恐怖の8番”木浪聖也がライトへ犠牲フライを打ち上げ1点を先制。すると阪神の先発・西勇輝は3回、先頭の岡田悠希にレフト前に初ヒットを許すも、続く吉川尚輝を併殺で切り抜けたあとは、8回まで1本のヒットも許さぬ完ぺきな投球を披露。9回にもマウンドへ向かい、秋広優人に久しぶりのヒットを打たれるも、最後は代走の重信慎之介の盗塁を女房役の坂本誠志郎が刺しゲームセット。西勇輝は自身2022年8月19日以来の完封劇で、今季7勝目を挙げた。
ヒーローインタビューで西は「坂本といつも通り話し合って、自分たちの形ができたし、最後まで引っ張ってくれたおかげでこういう長いイニングを投げることができたし、みんなの守備も良いリズムで行くことができて、9回マウンドに上がっている時、本当に歓声が凄くてちょっと泣きそうになりました。まだ勝ってないのに」と声援の後押しに感謝。最後は「7連戦、先発が1人でも多く長いイニング放るっていうのを練習前から話してましたし、7連戦の頭をしっかり投げることができてよかったです。ありがとうございます」と大事なゲームで完投完封したことを喜んでいた。
12日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説として出演した斎藤雅樹氏は「この時期にきての完投勝利というのは本当にチームを勇気づけます」とひとりで投げ抜いた西勇輝を称えつつ「本人も色々苦しい時期もあり二軍で調整もありましたからね。色んなことも思い浮かんできたでしょう」と、特別な感情もあったのではと推測。
「特に左バッターのインサイドの真っ直ぐが良かったんですけど、外のコントロールも非常に良くて、すぐ自分のカウントに持っていけましたよね。本当に今日は見事なピッチングでしたよね」と細かな部分にも触れつつ称賛していた。
またMCを務めた谷繁元信氏は9月負けなしの9連勝の阪神に「すべて先発ピッチャーに勝ちが付いている」ことに着目すると、もう一人の解説者の笘篠賢治氏は「ピッチャー陣を引っ張っている坂本が頑張っていると思います。梅野が怪我してもひとりでね」と扇の要の踏ん張りも大きいと指摘した。
2位広島が敗れたため、マジックは3まで減った岡田阪神。歓喜の瞬間は刻一刻と近づいている。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』