髙津監督「苦しみながらでもそこにたどり着いた」
ヤクルトは16日、神宮球場でDeNAと対戦し6-3で勝利。先発の小川泰弘は6回3失点で9勝目を挙げ、2020年以来となる2ケタ勝利まであと「1」とした。
序盤から動いた試合は2-2で迎えた4回裏、一死走者なしで打席に入ったヤクルトの4番・村上宗隆がレフトへ叩き込む勝ち越し弾。「少し詰まりましたが入ってくれて良かったです」と振り返った逆方向への一撃は、今季第30号の本塁打となった。
思えばちょうど5年前の2018年9月16日、本拠地・神宮球場でプロ初打席初本塁打を放ってみせた。そこから押しも押されもせぬチームの4番に成長。シーズン56号を記録した昨季と比べれば物足りない数字ではあるが、それでも3年連続自身4度目の30号は輝かしい数字だ。
髙津臣吾監督は村上の3年連続30号について「続けてやる難しさであったり、それが30本というすごい数字ですからね。苦しみながらでもそこにたどり着いたという感じかなと思います。本人は決して満足はしていないでしょうけど」と主砲の心情を慮った。
試合は勝ち越し直後の5回表に小川が佐野恵太に同点の適時打を浴びたものの、5回裏に塩見泰隆が適時打を放って再び4-3とリードを奪うと、6回には山田哲人が12号ソロ。同じ回にはホセ・オスナの22号ソロも飛び出し、一発攻勢で点差を拡大した。
この日は2回のドミンゴ・サンタナを皮切りに村上、山田、オスナがアーチをかけるなど、強力打線が本来の力を発揮。終わってみれば6得点の快勝だった。
試合後、村上は節目の30号にも「目標はもっと上だったんですけど」と口にし、最後は「まだまだもう少し試合があるので、頑張りたいと思います」と前を見据えた。
40号の大台に到達したリーグトップの巨人・岡本和真には10本の差をつけられているが、残り試合で1本でも多くアーチを描く。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)