「正直今日の状態は良くはなかった」
広島が中日に3-0で完封勝ち。本拠地でのCS開催に向け、負けられない一戦を制した。
広島の先発・九里亜蓮と中日の先発・柳裕也の両右腕が意地をみせたゲームは、九里の驚異的な粘りが上回った。初回から中日打線の粘りに苦しみ、いきなり28球を投じる内容で立ち上がるが、4回、6回、7回と先頭打者を出塁させるもすべて併殺打で切り抜ける粘りのピッチングを披露。7回まで108球を要しながらも無失点で踏ん張り切ると、6回の羽月隆太郎と小園海斗のタイムリーで2点のリードを8回は島内颯太郎、9回は栗林良吏が守り切り、敵地で見事な完封勝ちを収めた。
17日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説者として出演した笘篠賢治氏は8勝目をマークした九里亜蓮に対し「正直今日の状態は良くはなかったです。3-2ピッチングという中で、右バッターのアウトコースのストレートがまったく決まらないんですよ。スライダーもですけれどもボールばっかりなんですよ」と厳しい内容だったと分析。
しかし「そういった中でランナーを背負った究極の場面の中で、しっかり低めの本来の持ち球でダブルプレーが欲しいところで自分の意図するボールが決まるんですよ。そういった中で完璧なピッチングに見えますけれども点は取られていないんで、そうではない中で粘り強いピッチングを見せてくれました」と要所を締めホームを踏ませぬ力投に今日評価を与えた。
また、もう一人の解説者の平松政次氏も「本当に苦労していましたけれども、前回の阪神戦はトップの近本(光司)にね、いきなり緩いボールを投げたりとかものすごく苦心と言うか、考えたピッチングをしていたんですよ。それが今日に繋がったのではないかなという気もしますね」とメンタル面の成長に着目していた。
本来の出来ではないながらも最下位の中日に対し得点を許さなかった九里の力投は、CS争い真っ只中の終盤に、貴重な勝ち星をもたらした。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』