今や名物「今日も祐大のおかげ」
DeNAは26日、本拠地での巨人戦に1-0で辛勝。負けない男・東克樹がこの日も魅せ、クライマックスシリーズ進出を争うライバル・巨人に事実上の引導を渡した。
中5日での先発となった左腕は2回、一死から四球と連打で満塁のピンチを迎えるも、落ち着いて後続を斬って無失点。3回も一死から連打を浴びたが、怖い岡本和真と大城卓三を力のない飛球に仕留めて得点を許さなかった。
打線はその裏、恋女房・山本祐大の安打を皮切りに大田泰示が先制の適時二塁打。援護を受けた東は4回以降をわずか1安打に封じ込めて8回無失点の快投を披露した。
ハーラートップを独走する16勝目を掴んだ左腕は、この日もお立ち台に捕手の山本を呼び込む恒例のパフォーマンスで観客を沸かせながら、「本当に苦しいイニングもあったんですが、イニング間に祐大がまるでお母さんのように“次はああしろ、こうしろ”と指示をくれたので、本当に今日も祐大のおかげだと思います」と大感謝。
それを受けた山本も「負けられない試合でこういうピッチングをするというのは精神的にも強いですし、本当に頼りがいのあるピッチャーだなと思います」と返し、試合後にも息の合ったコンビネーションを見せつけた。
また、自身の投球に関しては「相手の山﨑伊織投手も良いピッチャーなので、絶対に先制点をあげちゃいけないという思いの中、2回・3回とピンチを作って精神的にも疲れました」としつつ、「押すところは押す、交わすところは交わす。メリハリのピッチングができたと思います」と振り返った。
三浦大輔監督も、東については「ランナーを出してからも落ち着いた投球ができていました。ピンチでもしっかりと捉えられた打球は少なかったと思いますし、セットポジションになっても変わらず、ランナーを出しながらも乱れることなくしっかりと締められるところが成績につながっていると思います」とピンチにも動じぬ精神面を高く評価。
続けて、「この時期、いろいろな思いがある中でもマウンド上で自分のやるべきことをやってくれた。自分のできることだけに集中して投げてくれたと思います」とし、最終盤の負けられない戦いの中でも変わらぬ安定感でチームを支える左腕を称えた。
4位・巨人との3連戦を2勝1敗で勝ち越し、CS進出に王手をかけた三浦ベイスターズ。
最後に、この先に向けて「一戦一戦、繋げて繋げてやっていくだけです」と勝って兜の緒を締めた指揮官。頂への挑戦は、まだ続いていく。
取材・文=萩原孝弘