貴重な1点をもぎ取った「ギャンブルスタート」
DeNAは29日、本拠地での阪神戦に5-3で勝利。この一勝により、クライマックスシリーズ進出が決定した。
先発の石田健大がピリッとせずに5回途中で降板となるも、三浦大輔監督の執念の継投策が実ってなんとか4回まで3失点で粘ると、打線が相手先発・青柳晃洋を捉えて一気に逆転。終盤にも1点を加え、計7投手のリレーで逃げ切った。
劣勢を跳ね返して勝利を挙げたDeNAはこの勝利でCS進出が確定したほか、2位・広島とのゲーム差も「1」に。本拠地でCSを戦うという希望も見えている。
そんな中、29日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた高木豊氏は貴重な追加点となった8回の攻撃に熱視線。「機動力があるのとないのでは、相手に与えるプレッシャーが全然違う。やっとここに来て走力でもぎ取ったような勝利」と語り、この試合の価値を強調する。
8回裏は先頭の藤田一也が四球で出ると、ベンチはすぐさま代走・知野直人をコール。知野は相手の暴投の間に二塁を陥れると、林琢真の内野ゴロに間に三塁へと進み、関根大気のセカンドへのゴロの間に生還。野選となって無安打で1点を追加した。
同じく番組に出演した真中満氏も「林選手はバントを失敗していたんですが、ワイルドピッチで(知野が)セカンドに進んだ後はしっかり転がして進塁させた。そして続く関根選手のところは“ギャンブルスタート”ですよね。当たった瞬間に行けという作戦で、知野選手が見事なスタートを切って貴重な1点を取りました」とコメント。
坂口智隆氏もこの場面について、阪神の二塁手・中野拓夢選手のプレーに「いっぱいいっぱいのプレーだったと思う」とミスはなかったことを強調しながら、「ギャンブルスタートって少しでも疑ったらダメで、もう当たるちょっと前くらいにはスタートを切り始めるんですが、これは自分の持ち場を把握して練習からやっていないと大事な試合ではできない」と知野の準備と思い切りの良さを称賛。続けて「強力打線のDeNAに走塁やつなぎで点が入り始めると、強い攻撃になるなと思います」とし、得点バリエーションの増加がもたらす効果について解説した。
“走力”という新たな武器も力に、短期決戦を勝ち抜くことができるか。CSの舞台では打力だけでなく、走塁も含めた緻密な攻撃にも注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』